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デジタル化を進めつつ、原点回帰するベネッセの狙いとは

ニューズウィーク日本版 / 2015年8月20日 15時50分

「やはりお客様のところへ出向いていくことが大切です。そして、個々のお子様の特性や学力などにあわせて、アドバイスしていく。つまり、ベネッセタウン構想により、直接お客様に寄り添うサポートを強化します。進研ゼミは、以前からダウントレンドになっていました。それは、人を軸とするベネッセらしい価値を忘れていたからです。したがって、この一年間は、人を軸とした価値を再度高めるため、教材もずいぶん進化しました。今後も一人ひとりによりフィットする教材の開発を進めていきます」

 着実に変貌を遂げつつあるベネッセだが、昨年の個人情報流出事故の影響が最も業績に表れるのは今年度であると見通している。この難局を乗り越える秘策はあるのだろうか。

「やはり原点回帰。ベネッセの価値をさらに高めるために人の力を生かし、デジタルを活用して商品・サービスを進化させます。また、事故を受けて一番に考えるべきことは、お客様からの信頼回復です。それは一夜にしてできるものではなく、さまざまな企業活動や顧客接点、それらすべての顧客体験が信頼に繋がりますから、そのためにもタッチポイントをたくさんつくることが大事です。つまり、『ベネッセタウン構想』が信頼回復に寄与するのではと、考えています」

 国内での事業が厳しい一方、海外での「こどもちゃれんじ」事業などは順調に推移。日本では今後も少子化が進む一方、海外はまだまだ発展の可能性があり、重要戦略の一つと考えているようだ。

「中国では、ベネッセは10年以上も前に日本人スタッフが現地に赴き、ベネッセのDNAをしっかりと注入して、独自の職場文化を培ってきました。ベネッセの素晴らしいところと、中国の現地スタッフの熱心さが上手く融合した文化を、作りあげたことに誇りを感じています。これが最も大きな成長の要因です。インドネシアは、4〜5年前から日本人スタッフが現地で活動してようやく事業の認可が下りました。今後アメリカなどの国々でも、ベネッセの強みを活かして、何が展開することができるのかを検討するプロジェクトもスタートさせています。業績の回復・成長というのは、大きな視点でいうとベネッセ全体の事業ポートフォリオを改めて整え、ステークホルダーにしっかりとコミュニケーションすることで実現できると考えています。」

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