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今こそ持続可能なグローバルビジネスを

ニューズウィーク日本版 / 2015年8月28日 19時22分

 また、短期的な市場の混乱に過剰反応せずに、成長戦略を継続していくことが大事だ。新興市場には、不安定さや脆弱さがつきまとう。だが、それが長期プランの遂行を邪魔するようなことがあってはならない。万が一の事態に備えた計画を立てておくことも重要だ。将来、危ない局面に立たされても落ち着いて対処できるよう準備しておくのだ。ただし、そのときにも長期的視点に立った戦略を見失ってはならない。

 現地における存在感、インフラ、スタッフの能力や技術などを、国単位で強化していこう。とくに、顧客と直に対面で接する職務について強化するべきだ。そうした面に関しては、今のところ地域戦略が不十分であることが多いからだ。新興市場では、人間関係の価値を軽くみてはいけない。友情関係がビジネスを前進させることも珍しくない。だからこそ、現地での存在感を高めることが必須なのだ。消費者や顧客が、地元企業と同じように見てくれるまで、現地に溶け込むことをめざそう。そのために、また成長するためにも、買収を検討してもよい。

 新興市場の企業たちは今、成長し、次のステージに飛び立つために翼を広げている。多国籍企業は、彼らが大きくなり、高値がつく前に買収を検討すべきだ。一時的に経済や通貨が低迷している今こそ、買収の良いタイミングといえる。

 あらゆるタイプの企業との競争に耐えうる現地でのレジリエンス(回復力、強靱さ)を身につけよう。そしてそれらの企業に後れをとることなく、追い越せるようイノベーションを続けていこう。大事なのは、アプローチの方法や組織形態に「柔軟性」をもつことだ。新興市場はとくに柔軟性が要求されることが多い。企業のDNAに柔軟性を刻み込むべきだ。さらに、スピードや緊迫感、機敏さを身につけることも必要。それらがなければ競争相手にたやすく負かされてしまう。競争相手の中でもっとも小さな会社でさえ無視することはできない。その市場で最強のインテリジェンス(情報収集力)を身につけ、競争に備えよう。

編集・企画:情報工場 © 情報工場




※当記事は「Dialogue Jun/Aug 2015」からの転載記事です




ニナド・パセック(CEEMEAビジネスグループ共同CEO、グローバル・サクセス・アドバイザーズ社長) ※Dialogue Jun/Aug 2015より転載


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