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日本の若者の貧困化が「パラサイト・シングル」を増加させる

ニューズウィーク日本版 / 2015年10月20日 16時0分



 日本列島全体で若者の貧困化が急速に進んでいる。これが「失われた20年」のリアルだ。2012年では26の県で15%、13の県で20%(5人に1人)を超えている。最高の沖縄県は4割という惨状だ。

 このような経済状況の変化が、若者の自立を阻んでいることは間違いない。若年層に対する経済的支援、とりわけ生活の基盤である「住」に重点を置いた支援策が必要だろう。ヨーロッパでは政府が低家賃住宅を提供している国もあるが、日本ではそうした物件は少なく、賃貸住宅のうち公営住宅が占める割合も極めて低い。若年層が新居を構えることができれば、それが家財用品の消費の増加や、結婚・出産の増加につながり、社会全体の経済活動が活発になる。

 若者のパラサイト化の進行の背景には、この20年で急激に悪化した経済状況がある。現実には自立したくてもできない人が少なくない。若者がこうした現状から脱却できるよう、自立を促す様々な条件を整える政策が急務だ。

<資料:『世界価値観調査』(2010~14年)、総務省『就業構造基本調査』(2012年)>

[筆者の舞田敏彦氏は武蔵野大学講師(教育学)。公式ブログは「データえっせい」、近著に『教育の使命と実態 データから見た教育社会学試論』(武蔵野大学出版会)。]

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舞田敏彦(武蔵野大学講師)


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