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【地図で読む】人類は1987年以降、資源の「債務超過」状態にある

ニューズウィーク日本版 / 2015年11月6日 16時5分

 例えば、テロ組織のISIS(自称イスラム国、別名ISIL)はイラクとシリアにまたがる地域を支配し、シリア難民はヨーロッパだけでなく、隣国のトルコ、レバノン、ヨルダンにも多く逃れている。例えば、米軍の駆逐艦派遣により米中の緊張が高まっているのは南シナ海で、そこでは中国以外にも、ブルネイ、フィリピン、マレーシア、ベトナムが領有権を主張している。

 そういったニュースを聞いても、ピンとこない人は少なくないだろう。シリアは中東のどのあたりにある? 南シナ海はどこからどこまでを指す? 日々流れてくるニュースは膨大だし、世界はあまりに複雑だ。いかに大切でも、「世界の今」を理解するのは簡単ではない。

 そんなときに役立つのが、地図だ――。フランスの人気TV番組から生まれた『最新 地図で読む世界情勢 これだけは知っておきたい世界のこと』(鳥取絹子訳、CCCメディアハウス)は、その名のとおり、地図を軸に据えた入門書。フランス地政学の第一人者であるジャン=クリストフ・ヴィクトルと、高校(リセ)の地理・歴史教師であるドミニク・フシャールおよびカトリーヌ・バリシュニコフが、美しい地図と写真でわかりやすく解説している。

 移民や難民、貧困ライン、温室効果ガス、ジェネリック医薬品、スラム街、デジタル・ディバイド、多国籍企業、マイクロクレジット、生物多様性......。「世界のしくみがひと目でわかる!」と謳い、50以上の地図を収録した本書から、5つのテーマを抜粋し、5回に分けて掲載する。

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『最新 地図で読む世界情勢
 ――これだけは知っておきたい世界のこと』
 ジャン=クリストフ・ヴィクトル、ドミニク・フシャール、
 カトリーヌ・バリシュニコフ 著
 鳥取絹子 訳
 CCCメディアハウス


※第1回【地図で読む】サッカーもジーンズも、グローバル化でこう変わった:はこちら
※第2回【地図で読む】18歳以下の「子供兵士」は世界に約25万人いる:はこちら
※第3回【地図で読む】国際的な移民の数は世界人口の3%にすぎない:はこちら
※第4回【地図で読む】この宗教地図が間違っている4つの理由:はこちら

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《私たちは両親の土地を相続しているのではない、子供たちの土地を借りているのである》――レオポール・セダール・サンゴール[セネガル初代大統領で作家、詩人]

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