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アルゼンチンから吹いてきた中南米左派政権の終焉の風

ニューズウィーク日本版 / 2015年12月10日 17時0分

 ここ15年以上、南米で続いた「ピンクの潮流(選挙による左派勢力の台頭)」の指導者の1人、ブラジルのルセフ大統領も苦戦している。

 ルセフはマドゥロのようなタイプではなくまじめな政治家だが、運に恵まれていない。輸出資源の価格上昇分を社会保障費に回すことを当てにしていたが、今年の成長率予測はマイナス3・2%。30年代以来最悪の景気後退となる。国営石油会社ペトロブラスの汚職スキャンダルにも巻き込まれ、ルセフの支持率は1桁に急落している。

 これらは「ピンクの潮流」の指導者たちが現実に直面させられていることを示している。お粗末な政策は悪影響をもたらすという現実だ。

 マクリは、かつて世界経済の牽引役だったアルゼンチンに新たな道を開くチャンスを手にした。何といってもアルゼンチンの停滞はあまりに長過ぎた。

 中南米にもアルゼンチンの再生は必要だ。マクリには、見栄えのいいポピュリズムは短期的な成長をもたらすかもしれないが、結局は破滅の種を内包しているのだと証明してほしい。

 中南米が前進するためには、ポピュリズム政策よりもっと良い道がある。マクリなら、その道を切り開いてくれるかもしれない。


[2015.12.15号掲載]
アフシン・モラビ(本誌コラムニスト)


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