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日本の大学は「レジャーランド」だからダメなのか?

ニューズウィーク日本版 / 2015年12月22日 17時15分

 これは歓迎すべき傾向かもしれない。しかし国際的にみると日本の大学生の勉強時間はまだまだ短い。国内で見ても小・中・高校生より大学生が勉強しないとは何事かと、さらに批判されることは想像に難くない。

 大学教育を充実させる方向は誤りではないが、それ一辺倒になるのも行き過ぎだろう。青年期は自己アイデンティティの確立を期待され、いろいろな試行錯誤をする自由(時間)を与えられた「モラトリアム」の時期でもある。大学進学率が50%を超える日本では、大学がその機能を果たしている。大学の「中学・高校化」をやたらと押し進めるのは、青年期の人間形成にとって好ましいとはいえない。

 今年6月に、国立大学の文系学部の廃止を求める通知が出されたが、改革とはいえあまりに極端に走るのもどうだろうか。大学教育の現状を完全に否定するのは、明らかに暴挙だ。既存の良い部分も残しながら少しずつ改善を加えるのが、あるべき姿ではないだろうか。

<資料:内閣府『わが国と諸外国の若者の意識に関する調査』(2013年)、
総務省『社会生活基本調査』>

舞田敏彦(武蔵野大学)


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