1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

公立校もアイビーも「ほぼ男女同数」が合格・入学する

ニューズウィーク日本版 / 2015年12月29日 7時55分

 イェールと言えば、2002年のソルトレイクシティ五輪で、女子フィギュアスケートで金メダルを取ったアメリカのサラ・ヒューズが、その後はスケートから引退してイェール大学に進学しています。彼女の場合は、履歴書のスポーツ活動の欄に「オリンピックでの金メダル」ということを書いて合格したわけです。ちなみに、専攻はアメリカ政治だそうです。

 こうした「非凡」だとか「凄い学生」という点では、何も「超一流」だけが評価されるのではありません。反対に、大変な逆境の中から出てきた才能というのも重視されます。例えば、2012年にハーバードは「ホームレス高校生」を入学させたということで話題になりました。

 この年に合格したノースカロライナ州出身のドーン・ロギンスさんという受験生は、貧困とドラッグ中毒に囲まれて育ち、父親からも母親からも遺棄された文字通りの「ホームレス高校生」でした。

 高校に進学した時点では、不登校が目立ち、学校は彼女をドロップアウト(中退)候補とみなしていたそうですが、「バイオ(生物)を極める中で何か新しい発見に関わっていきたい」という夢を持っていた彼女は、高校から「生徒と用務員としての二重在籍」を認めるという特例を受けて、放課後は校舎の掃除をして生活費を得て、勉強に打ち込んだのだそうです。

 ハーバード入学後のロギンスさんは、ハーバードではフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグが暮らしていた寮に入り、優秀な成績で学生生活のスタートを切ったと言います。

 この他にもハーバードは、同じ年にオハイオ州クリーブランド出身のホームレス高校生を入学させていますし、2000年に入学して、同大学卒業後に心理カウンセリングの会社を立ち上げているニューヨーク出身のリズ・マレー氏も有名です。彼女に関しては、都市型の退廃した生活に陥った両親からネグレクトを受ける中で、15歳の時に母親がエイズで死亡、父親はホームレスの救護所に入ってしまって、自分は遺棄されているのです。

 こうした経験を踏み台に、マレー氏は自身の半生を『ブレイキング・ナイト』(邦訳・阪急コミュニケーションズ)という書籍にまとめ、現在は同様のケースに陥った人々を救済する活動をしています。こうしたホームレス高校生をハーバードが入学させるのは、そこにあるキャラクターの強さという資質、つまり「凄い学生」であることを評価するからだと言えます。




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください