台湾、初の女性総統が誕生するか?――そして中国は?
ニューズウィーク日本版 / 2016年1月15日 16時0分
上記Yahoo奇摩が2016年1月2日に民意調査を行なったところ、
蔡英文(民進党):33%
朱立倫(国民党):41%
宋楚瑜(親民党):25%
で、なぜか朱立倫氏の支持率がトップだ。
これにより逆に、いかにYahoo奇摩が北京政府寄りであるかが見えてくる。
またアリババの馬雲が買収した香港の「南華早報」も「朱立倫:39%、蔡英文:33%」と書き立てて、喜んでいる。
そう期待したいのだろう。
蔡英文氏がどんなに「現状維持」と言っても、中国は信用していない。
台独(台湾独立)は民進党の党規約にもあるとして、中国は「遠慮しない」という姿勢だ。
中国人民解放軍元高官――台湾を解放する(攻撃する)機は熟した
一軍高官の発言に目くじらを立てるのも適切ではないが、1月13日、とんでもない発言が中国内外のネットを驚かせている。
中国大陸のネット空間にある「頭条(tou-tiao)」(ヘッドライン)というウェブサイトが「元中将が台湾問題を解決する機は熟した:台湾軍隊は何日持ちこたえられるだろうか?」というタイトルの、過激な発言を発信したのだ。
それによれば、中国人民解放軍・南京軍区の副指令員だった王洪光・元中将は、「万一にも蔡英文氏が総統選挙で当選したら、中国はどうするか?」と聞かれたときに、おおむね、つぎのように答えたという(長いので概略を書く)。
――英文が総統になって、ひとことでも「台独」に触れてみろ。中国は「台独」の苦い果実を味わうつもりはない。「一つの中国」の大原則の下に、徹底的に台湾問題を解決する。その機は熟したと思うがいい。「地動山揺(大地が揺れ動く)」とはどういうことかを台湾の島民は思い知ることだろう。中国の軍隊の威力を知る日が来ることを覚悟するがいい。台湾の軍隊の勝算があるとでも思っているのか?何日間持ちこたえられると思っているのか?
筆者は昨年8月13日に本コラムで「中国の軍事パレードは台湾への威嚇」と書いたが、日本人にはあまり共感いただけなかったようだ。しかしこの王洪光元中将は、9月3日に行った軍事パレードのときに「制空権を持った中国大陸の軍隊の下では、台湾を奪取することなど簡単なことだ」と語っている。
つまり中国は9月3日の軍事パレードの目的の一つを、「台湾総統選への威嚇」に置いていたことが、この王洪光の発言によっても明らかなのである。
2015年12月31日に発表した中国の建国以来の大規模軍事改革は、一方では北朝鮮を睨み、そして一方では台湾の総統選挙への威嚇を内在している。
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