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SMAP解散危機、ベッキー騒動は「ニュース」なのか?

ニューズウィーク日本版 / 2016年1月21日 18時0分

 最近で言えば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による年金運用で兆円単位で損失が出ていることも、重大テーマだろう。これまで、GPIFは国内債券(60%前後)をメインに年金を運用し、株式市場への充当は、国内株式12%前後、外国株式12%前後と、せいぜい3割弱にとどめていた。これは国民の財産である年金を守るため、比較的リスクの低い運用を行ってきたからだ。しかし、安倍政権は、2014年10月、GPIFの運用比率を変え、総資産の約半分を株式市場に充当。これには当初から年金をハイリスクにさらすことになるのでは、と野党や識者らの懸念の声があった。実際、GPIFの年金運用見直しは、安倍政権の支持率と密接につながる日経平均株価の底上げに、一時的につながったものの、その後、中国経済の減速の影響などによる世界同時株安に伴い、日経平均株価も下落。それにより、昨年秋以降から、兆円単位で年金の損失が続いている。昨年1月の時点で安倍政権は、今後の年金運用の最大損失額を「21兆5000億円」と見積もる想定を、民主党の長妻昭衆議院議員の質問主意書に対する答弁書の中で示していた。こうした予測が現実のものとなりつつある。それでなくても、年金崩壊が危惧される中、安倍政権のGPIF改革の是非は、間違いなくもっと論議されるべきことだ。

ニュース番組中、戦争のことをやると、見事にそこだけ視聴率が落ちる

 日本が今、様々な深刻な問題に直面している中で、これまでの通りに、マスメディア、とりわけテレビが刹那的な芸能ニュース、タレントのスキャンダルに埋め尽くされているのは、まずいのではないだろうか。問題はテレビ等にとどまらず、Yahoo!など主要ニュースサイトの閲覧ランキングでも、上位は「SMAP」「ベッキー」関連。結局のところ、マスコミを「マスゴミ」にしているのは、視聴者であり読者である。政治家のレベルが有権者のレベルであるように、メディアの質も視聴者・有権者の質なのだ。

 思い出すのは、以前、筆者の友人である某有名ニュース番組のディレクターがこぼしていたメディアの内情だ。


「僕も中東での戦争などのニュースをもっと取り上げたいんですが、そういうのは、視聴者から敬遠されるらしい。テレビ局では、リアルタイムで視聴率をモニターしているんですが、ニュース番組中、戦争のことをやると、見事にそこだけ視聴率が落ちるんですよね...だから特集企画も通りづらいんです」

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