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部門ごとの働きやすさを追求、社員を「全員主役」にするオフィス

ニューズウィーク日本版 / 2016年1月29日 11時27分

 放っておけば人間は怠けようとする、本来だらしないものなんですよ。でも、だからこそ力を合わせることに意味があるんですね。社員みんなが立派で何でもできると標榜するエリート組織もあるでしょうけど、そういう前提だと評価がマイナスばかりになってしまうように思います。

 ドワンゴは何でもちゃんとこなすタイプではない、いってみればいびつな人たちが集まっているんです。でも、そういう集団でも日本最大級の動画サービスやイベントを実行できる。何もかもはできないけど、1つか2つ誰にも負けないものがある、そういう会社なんです。

 新入社員の採用面接でも、コミュニケーションが必ずしも得意ではない若者が「僕でも入れますか?」って口ごもりながら一生懸命聞いてきたりします。その若者はエンジニア志望で、「エンジニアとしてちゃんと仕事してくれれば問題ないよ」ということで入社してもらったら、今は大活躍していますよ。そんな人がいっぱいいるんです。

 そういう人もいていいんですよ。営業で活躍する人は外向的で人づきあいがうまい人が多いけれども、内向的でほとんどしゃべらないで、だけど素晴らしいプログラムを開発してる人もいる。もちろんコミュニケーションもできて技術力の高い人もいます。人それぞれで、まさに「全員が主役」。人材の多様性がドワンゴらしさじゃないかと思います。

フロアを貫く中階段の近くに喫煙スペースを設けたことで偶発的なコミュニケーションが増えた。

事業所内に保育施設「どわんご保育園」を開設。福利厚生施設を充実させることで、社員の個性もより活かされる。

挑戦の場を提供することで優秀な人材を集める

 若手にとって、面白いことがやれるかどうかは会社の魅力に直結するようです。2012年ごろ、開発部門が行き詰っていたときはエンジニアの退職が続きました。今は人工知能研究所を立ち上げたり、ウェブの開発では最前線を行っているということで、志望者は増えました。ドワンゴを一度辞めたけれども、また戻ってくる人もいますしね。面白い挑戦ができそうな仕事があることと、それに対する適切な報酬があるという、2つが優秀な人材を確保するカギになると思います。

 将来的には本社オフィスの近くにシェアハウスを造ることも考えています。立地、広さ、賃料などを全部兼ね備えた物件を探している最中ですが、いいものが見つかれば職住接近で社員には喜ばれるかなと思います。

 2014年10月にKADOKAWAと統合して、今年3月に変則ですが半期決算を終えました。4月から統合後、初めてのフルイヤーを迎えているわけで、そういう意味では1年目なんです。まだまだやりたいことはいっぱいあります。この会社がどんなふうに成長していくか、僕自身楽しみにしています。

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