北朝鮮ミサイル発射――春節への冷や水を浴びた中国
ニューズウィーク日本版 / 2016年2月8日 17時0分
習近平国家主席が韓国の朴槿恵大統領と電話会談
観察者網はさらに、中国の外交部(外務省)が「2月6日に、習近平国家主席と韓国の朴槿恵大統領との間で電話会談が行われた」ことを報道したと伝えている。朴槿恵大統領が習近平国家主席に「安保理の北朝鮮への制裁決議を支持してほしい」と伝えたそうだ。
1月7日付けの本コラム「北朝鮮核実験と中国のジレンマ――中国は事前に予感していた」などでも触れたが、北朝鮮が水爆実験と称する核実験をおこなった後、日米、日韓、米韓の首脳同士は電話会談しているが、中韓首脳はしていない。朴槿恵大統領の方から何度も習近平国家主席に電話会談を申し入れたが、反応がなかったとのことだった。
原因は、昨年末に突如として開催された日韓外相会談で、韓国側が二度と再び国際社会において、いわゆる「慰安婦問題」を持ち出さないと約束したからだ。韓国と対日歴史共闘をしようと、中韓蜜月を演出してあげていた習近平国家主席としては、韓国側のこの誓いによりユネスコの世界記憶遺産に「慰安婦問題」を韓国と共同で登録申請しようともくろんでいたハシゴを、いきなり外された形だ。
だから北が核実験をしようと、韓国を守るために中韓首脳間の電話会談にさえ応じないという姿勢だったのだが、北の暴走が止まらない現実に直面し、習近平国家主席側が折れた形である。
中国の足元を見透かした北の「ならず者」のやりたい放題の暴走。
「油と食糧の供給を遮断する」という、その暴走をとめる手段を持ちながら、防波堤を無くしてしまうことへの懸念から実行できないでいる中国のジレンマは、もう尋常ではない。
-中国のネットユーザーのコメント
そのことは、中国のネットユーザーのコメントにも如実に表れている。前出の「網易軍事」にあるコメントの中から拾ってみよう。
●rogerxu266(福建) 2016/02/06 16:39:48 「制裁を支持する。油を断て」
●小王1972 (上海) 2016/02/06 17:48:14 「朝鮮はいま中国に対して友好的ではない。ほぼ敵対と言っても過言ではない。われわれのそばにいる"恩知らずの人"に対して、そろそろ手を下さなければならない。」
●従此456(江蘇省) 2016/02/06 18:40:40 「糧食を断ち、油を断つべき」
●携帯から(浙江省)2016/02/06 18:14:57 「朝鮮はトラブルメーカーだ」
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