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「出会い系」ブームで、熟年のバレンタインが熱い

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月13日 10時13分

 同じ調査で、こうした「出会い系」サイト・アプリ使用経験者の80%が「新しい人に会うのに良い」とポジティブな見方を示している。とはいえネガティブな面もあるようで、使用経験者の約半数の45%が出会い系は「他の出会い方より危険だ」と回答。また、31%が「常にデート相手の選択肢があるため、決まった相手に落ち着きにくくなる」と言い、16%が「出会い系を使っている人は必死だ」という見方に同意した。

デート相手は同時並行で何人いてもいいから

「他の出会い方より危険だ」と感じるのは女性が53%、男性が38%と男女に差があるのは、アメリカでは恋人未満の「デート相手」とでもカラダの関係に発展するケースが多いからだろう。そもそもこの国では「デート相手」と「恋人」というのは全く別のカテゴリーであり、単なるデート相手から正式な「彼氏彼女」に昇格するまでには"ベルリンの壁"が立ちはだかっている。

【参考記事】アメリカ人の想像を絶する日本の「草食男子」

 デート相手は同時平行で何人いてもよく、反対に彼氏彼女というのはお互いにエクスクルーシブ(あなただけよ)な関係、つまり他の男女に手を出したらそれは「浮気」になるという、日本でいうところの「恋人」だ。この、恋人にしたいかどうかのお試し期間(=デート)のうちにセックスも試してみるというのはよく聞く話で、同時期に何人のデート相手と熱い夜を過ごそうとも「ルール違反」にならないため、男性よりも女性のほうが「危険」を感じても不思議ではない。

 さらに厄介なのは、アメリカには「付き合ってください」と告白する文化がなく、デートしている段階では自分が正式な「恋人」なのかどうかが分かりづらいこと。「僕の彼女になってくれる?」とコクハクする真面目男子も中にはいるらしいが、一般的には、友人などに「この子は僕の彼女」と紹介されて初めて「彼女に認定された」と気付いたり、「お互いにエクスクルーシブな関係になろう」という話し合いを経るなどして「恋人」にレベルアップする。「出会い系」はデート相手探しのハードルを下げてはくれても、そこから恋人や生涯の伴侶になるまでの道のりは自分で切り開くしかないようだ。

「必死な」熟年シングルが求めるのは、生涯の伴侶かデート相手か。いずれにせよ、経験豊富で若者よりも「危険」を回避できるであろう中高年にとって、こうしたツールがホットな出会いの場になりつつあることは間違いない。「デートしたい」気持ちは何歳になっても同じはず。中高年の皆さん、アメリカ人に負けじとがんばりましょう(ただし、「独身者」限定で)。 

小暮聡子(ニューヨーク支局)


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