1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

「神曲」ラップと「ギャップ萌え」で党宣伝をする中国――若者に迎合し

ニューズウィーク日本版 / 2016年3月4日 16時0分

 動画ではないが、ほかにも「虎退治(反腐敗運動)をする習近平」をアニメで描いたものなどもある。まさに、このような「子供だまし」のものなど、若者でさえ見そうにないが、それでも、なんとしても若者に受けようという意図がありありだ。

 ここまでして若者受けしようというのは、逆に言えば、いかに若者が中国共産党など信じてはいないことの裏返しである。

 10年ほど前、日本のアニメとマンガで「精神文化」を形成されると困ると焦った中国政府は、あわてて国産アニメ基地などを作って若者の精神を中共に向けさせようとしたが、そんなことで騙されはしない。

 ITの先進化によって通信のグローバル化が進めば進むほど、中宣部によるイデオロギーのコントロールは難しくなる。ITは進歩することはあっても、後退することはないだろう。

 となれば中国のイデオロギー闘争は、ITとの戦いでもあるということができる。

 勝利が見込めるとは思いにくい。

 これまで本コラムで書いてきた中国の厳しい言論統制は、この事象の裏返しなのである。それをご理解いただきたいために書いた。

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください