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【再録】J・K・ローリング「ハリー・ポッター」を本音で語る

ニューズウィーク日本版 / 2016年3月28日 17時35分

(うんざりした様子で)まったくねえ。とにかくワーナーは、ものすごい量の情報を送りつけてくる。何度も会議にも呼ばれたし。

 子供たちには、企業ではなく、私の望みどおりのグッズを与えてやりたい。(グッズの氾濫を)心配する人たちには、こう言ってあげたい。「どうか私を信じて。私はあなたたちの味方だから」

――最初に想定していた読者は?

 私自身。どうしたら子供たちに気に入ってもらえるか、なんて考えたことは一度もない。最初にアイデアがひらめいたときは、そりゃあ興奮したわ。これは楽しくなるぞってね。

 実をいうと、ファンタジー小説はあまり好きじゃない。大して読んでないし。『指輪物語』は読んだけど。14歳だったかしら。

 ファンタジーを書いていると意識したのは、執筆を始めてかなりたってから。そういうことに鈍いのよ。書くのに夢中だったし。3分の2まで書き終えたところで、ハッとしたの。あら、ユニコーンが出てくる。私、ファンタジーを書いてるんだ、って!

――読者からアイデアをもらうことは?

 ない。幼い読者はとても気前がよくて、私に手紙を書いては自作のおかしな言葉を教えてくれる。「使えますか?」って。私の返事は「いいえ。あなたの言葉なんだから、あなたが使いなさい」。

――ファンレターには自分で返事を書くのか。

(しぶしぶ)まあね。こんなことインタビューで打ち明けていいのかどうかわからないけど、個人的に目を通す手紙とそうでない手紙を分けているの。読んだ手紙には、手書きで返事を書く。

 ダンブルドア博士(ホグワーツ魔法魔術学校の校長)にあてて、真剣に入学させてくれと訴えてくる子もいる。悲しい手紙も多い。本当の話だと思いたい一心で、いつのまにか実話だと信じてしまった子もいる。そういう手紙には、ちゃんと返事をあげないと。

――6歳の娘さんには『ハリー・ポッター』を読んであげた?

 言葉の面では、賢い子なら6歳でも問題ない。でも読み進めていくうちに物語が暗い方向へ向かうから、子供は怖い思いをするかもしれない。だから娘には「7歳になったらね」と待たせていたの。

 だけど学校に上がると、周囲がほうっておかなかった。年かさの子供たちにクィディッチがどうのこうのとまくしたてられても、娘はちんぷんかんぷん。仲間はずれはかわいそうだから、一緒に読むことにしたわ。

――あなたは意識して質素な生活を保っているようだ。車を5台買うわけでも、ヘリコプターを買うわけでもない。

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