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トランプ旋風を生んだ低俗リアリティ番組「アプレンティス」

ニューズウィーク日本版 / 2016年4月5日 21時30分

注意していなければ、かみ砕かれて吐き出されてしまう(カメラがベンチで寝ているホームレスを映し出す。ビジネス的に敗れた男なのだろう)。だが、懸命に働けば大成功を収めることができる。桁外れの成功だ(ここでトランプの豪邸が映る)

私の名はドナルド・トランプ。ニューヨークで一番の不動産開発業者だ。だが、常に順風満帆だったわけではない。13年前は深刻な状況に陥っていた。多額の負債を抱えていたのだ。しかし私はその苦境と戦い、勝った。大実業家の地位を得た。

私はビジネスが何たるかをマスターし、「トランプ」という名を最高級ブランドに仕立て上げた。そして今、ビジネスの名人として、その極意を誰かに伝えたいと思う。私は探しているのだ。アプレンティス(弟子)を。


 個人的には見るに堪えない番組だ。私は共和党大会を3度取材した。だがアプレンティスを見るほうがはるかに辛い仕事だった。番組を見れば分かってもらえると思うが、政治に関心をもつ人たちが見るような番組ではない。

 それが、見落とされがちな理由だ。



 俳優だったロナルド・レーガンが何百万人ものアメリカ人にとってなじみの顔だったように、トランプも、「低俗」と言われかねないようなテレビ番組を好む人たちにとっては、なじみの顔なのだ。

「ダウントン・アビー」(貴族と使用人たちの生活を描いたイギリスの人気ドラマ)のファンはトランプを見ていなかったかもしれない。しかし、「6缶パックのジョー(白人労働者)」とも呼ばれる平均的なアメリカ人はトランプを見てきた。

 そして今、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、デービッド・ブルックスのような連中が想像だにしなかった事態が起こっている。平均的なアメリカ人がトランプの選挙集会に集まり、予備選で投票もしているのだ(ブルックスはついに、「アメリカについて正確に報道するつもりなら、仕事のやり方を変えなければならない」と認めた)。

 11月の大統領選挙では、何が起こるかわからない。

Rick Perlstein is the national correspondent of The Washington Spectator.



【関連特集】ドナルド・トランプ暴言の軌跡

リック・パールスタイン(ワシントン・スペクテーター紙記者)


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