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挑発行為に隠された北朝鮮の本音

ニューズウィーク日本版 / 2016年4月13日 20時1分



 最大のハードルはおそらく、人権状況の改善にこだわるアメリカの態度だ。人権問題を持ち出せば、金が「内政干渉」だと反発するのはほぼ確実。ならばオバマが残りの任期で達成したい事項のうち、北朝鮮問題はどの程度重要かを考える必要がある。人権問題を置き去りにした交渉では、人権擁護を重視する人々の批判を免れないだろう。

 交渉には何年もかかるとの覚悟も必要だ。しかも最終的に、北朝鮮が現行の核政策を放棄する保証はどこにもない。

 それでも外交による解決を諦めれば、北朝鮮は核開発を加速させるだけだ。核技術をテロ組織などに売却する恐れもある。イスラエルは07年、シリアの核開発施設とされる標的を空爆したが、施設の建設には北朝鮮が力を貸していたという。

 オバマが核安全保障の重要性を強調するなか、北朝鮮が持ち掛けた新たな提案は、和平実現の最後にして最大のチャンスに、少なくとも朝鮮半島情勢をより安定化させる絶好の機会になるかもしれない。

 時間は限られている。ウィットが言うように、オバマに残されているのはあと9カ月だ。

[2016.4.12号掲載]
ジョナサン・ブローダー(外交・安全保障担当)


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