働き方の多様性は人と企業にメリットをもたらす
ニューズウィーク日本版 / 2016年4月22日 16時11分
伊藤氏はできる範囲で名刺を手書きしている。出会いを大切にする姿勢がにじみ出ているようだ。
「ハイコストなものもみんなで共有すれば維持できるし、面白いことにも出合える」と、シェアオフィス「スタジオ4」(東京・品川)を運営。これも伊藤氏のナリワイの1つだ。
それから年金についてよく質問を受けますが、これについては会社勤めを全うしたところでちゃんと厚生年金がもらえるのか、そもそも国の年金制度が永続的に機能するのかという疑問もあります。
なので年金というより、引退した後どうするか、貯金でやっていくのか、引退してもできる仕事を考えるのか、何らかのビジネスオーナーで多少の収入をもらうのかといった選択肢をこれからの日本人は考えることになると思います。ナリワイ的生き方では、生涯現役かつゆるやかに自給的生活にシフトしていく、ということをイメージしています。さまざまなナリワイを経験していけば、低コストで楽しく生きていける技が溜まっていくのではないでしょうか。
海外でナリワイ的生き方がどう受け止められるか
ナリワイの今後の展開としていくつか考えていることがあります。
1つは、海外にこういう考え方がどう受け止められるかを確かめたい。『ナリワイをつくる』という僕の本の韓国語版を読んだ韓国人の方が、土窯パン屋のワークショップにいらしたんですよ。読んで行動した人がいたことに可能性を感じます。
韓国語版はエージェントから勧められての発行でしたけど、さらに他の国でも展開できればと思って、先日は友人に紹介してもらって台湾の出版社に台湾語ができる人と押しかけて直談判しました(笑)。ついでに台湾で仕事を作れたらいいなとも目論んでいます。個人の働き方と生き方と現代社会システムとの関係性は世界的なテーマであると思うので、日本にこだわりはないです。
あとは個人的に作ったいろいろなナリワイについて、他の人が始めやすくする情報インフラを作れたらと思っています。シンプルなウェブサイトで、告知ができる程度でもいいかもしれません。
それから土窯パン屋のような暮らし方と生業のワークショップについてはバリエーションを増やそうと思っています。例えば豆腐屋さんや製塩業など田舎でやれる自営業のモデルをいろいろ発掘して、そこに直接見習いできる学校をやりたいなと。これは編集やライターをしている人の協力をまず得て、現場を取材して一緒にプログラムを考えて、募集の文章を書いて受付対応するという流れになると思います。他の人にも利益が回ることを仕事にしていけたらいいですね。
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