今の日本に機会均等はあるか?
ニューズウィーク日本版 / 2016年5月10日 16時30分
しかし日本は、傾向から外れたところに位置している。教育費支出が最下位にもかかわらず、ライフチャンスの階層的制約に対する意識が薄い。極めて奇異な社会だ。「頑張れば成功できる」というイデオロギーが浸透し、政府の怠慢が巧みに隠蔽されているとも言えるのではないだろうか。
最近、教育と貧困・格差の問題がメディアで取り上げられ、この問題への関心が高まってきた。日本でも、「生まれ」によってライフチャンスがかなり制約されているのではないかという疑念が広がっている。<図2>の縦軸は2009年のデータだが、近年では日本ももっと上に位置しているだろう。
【参考記事】日本の若者の貧困化が「パラサイト・シングル」を増加させる
人々の意識は、現実としばしば乖離する。見えざる現実をデータで可視化し、状況の改善に向けた声を上げていかねばならない。
<資料:ISSP「Social Inequality IV - ISSP 2009」、
OECD「Education at a Glance 2015」>
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舞田敏彦(教育社会学者)
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