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「ネット言論のダークサイド」を計算機で解析する ── データ分析による報道の技術とその再現性 ──

ニューズウィーク日本版 / 2016年5月10日 22時31分

 しかしこのうんざりするような長年の手作業の副産物として、彼らは一つの巨大なデータセットを生み出しました。すなわち、人の手によって分類された膨大な数のコメントです。ガーディアン紙では、モデレータにより不適切なコメントを、ガイドラインに沿ってブロック、もしくは削除しています。



 このように人がコメントの内容に沿って掲載するかブロックするかを決めているのですが、ブロックされたコメントもデータベースには記録として残っています。7,000万のコメントのうち、およそ2%に当たる140万件のコメントが不適切なものとして分類されたそうです。多くは攻撃的で不適切な内容だったそうですが、これには脱線しすぎたコメント、いわゆるオフ・トピックなものも含まれています。つまり、彼らは人の手で分類された膨大な量の「攻撃的なもの/そうで無いもの」と仕分けされたコメントのデータベースを持っているのです。

この記事からはブロックされたコメントのリアルタイム表示が見られる (上のスクリーンショットは4/13/2016 7:05PM PSTに取られたもの)

 ガーディアン紙の解析チームは一つの仮説を立て、それをこの長年蓄積されたデータを使って定量的に検証してみることにしました。その仮説は以下のものです:


Articles written by women attract more abuse and dismissive trolling than those written by men, regardless of what the article is about.

女性によって書かれた記事は、その内容に関わらず、嫌がらせや軽蔑的な煽りの対象になりやすい



 つまり女性によって書かれた記事は、女性が書いたという理由だけで軽んじられたり、おかしな人をひきつけやすいと言う仮説です。これはしばしば言われてきたことですが、定量的に大規模なデータから分析した例はあまりないと思います。そこで彼らは実際にやってみることにしました。

なぜジェンダーに関する仮説なのか?
 これは割とシンプルな理由で、仮説としてわかりやすいのと、データの分類時に真偽の二値で扱えるために解析が行いやすかったからだと思います。他の性的マイノリティーや人種に関する属性をメインにすると、よりデータの自動分類が難しいという理由もあったと思います(後述)。


解析の結果

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