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もし第3次世界大戦が起こったら

ニューズウィーク日本版 / 2016年6月10日 17時45分

 シレフの警告に反して、NATOとロシアによる核戦争の可能性は極めて低いだろう。というのも、双方とも最終的にそこまでの壊滅的被害を望んでいないからだ。万一、化学兵器や生物兵器を用いる場合でも、非常に狭い範囲で、わずかしか使用しないだろう。

 だからといって、戦争によってもたらされる損害の規模を過小評価すべきでもない。もしNATOとロシアの間で全面戦争が起きれば、インターネットから株式市場、宇宙空間まで、想像の及ぶあらゆるものが前線と化すだろう。

 確かにシレフの小説には、なるほどと思わせるところがある。NATOに対してより強硬な外交政策を掲げ軍事費を増大するよう求める声は現実にもある。だがだからといってロシアの政治指導者を話が通じない相手と切り捨てるのは短絡的過ぎる。

 結局のところ、第三次大戦という話になれば、ロシアもNATOも失うものが多すぎるのだから。

Ian Shields, Associate Lecturer in International Relations, Anglia Ruskin University

This article was originally published on The Conversation. Read the original article.



イアン・シールズ(英アングリア・ラスキン大学講師、国際関係論)


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