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「オバマ米大統領は謝罪すべきだった」亀井静香衆院議員に聞く

ニューズウィーク日本版 / 2016年6月11日 6時55分

【参考記事】原爆投下を正当化するのは、どんなアメリカ人なのか?

「遺族としては意味がない」

――やはり、きちんと謝罪の言葉は述べなければならないと。

亀井 そうでなければ、被害を受けた方々に、私が残虐非道なことをやった国の大統領だと見せ物として姿をさらしに来るか、それとも見物に来るのか、どっちかだ。(大統領来日前の)記者会見でも(私は)そのように言った。はっきり言って、オバマ大統領は非常に曖昧なことをやったんですよ。これに対する日本人の対応の方が悲しいよ。



――大統領歓迎ムード一色の観があった。

亀井 それが悲しい。

――被爆者は言いたいことをかなり封印したのではないか。とにかく、まずは米大統領に広島に来てもらえればいいということで。

亀井 いや、新聞にも、「何しに来たんだ」という声はだいぶ出ていますよ。被爆者が何で「よく来てくれた」と思うか。殺人者が殺された被害者の墓に来て、「すいませんでした。反省しています。おわびします」とも言わずに墓参りしてくれたって、遺族としては意味がないですね。墓参りに来るなら、そういうちゃんとした気持ちを表さないと。

――オバマ大統領の気持ちの中にそういう深層心理はあるかもしれないが、米国内には原爆使用を正当化する意見や、「謝罪は不要」との声もあり、言いたいことも言えなかった。

亀井 好意的に、彼の立場で言えば、来なかった方が良かっただろう。そんな状況で墓参りはしなさんなと。10万の人間が死んだ、墓場ですよ。

――中途半端な対応だったと。

亀井 例えば、米国が日本の首相に「真珠湾に来てくれ」と言うなら、行ってもいいと思いますよ。「宣戦布告の手続きを間違え、申し訳なかった」と。戦争にはルールがある。宣戦布告してから戦争を行うというルールを、手違いにより踏めなかった。それは「申し訳なかった」とおわびしていいし、「行くな」と言うのもおかしい。行けばいい。オバマ大統領も「申し訳なかった。おわびする」と言ってくれればいいんです。お互い素直に。

――亀井さんのように正直な意見を発言する人は意外に少ない。

亀井 いや、違う。マスコミがあおって、私のような気持ちを言えないようにしているんだよ。

――そんな雰囲気は確かに感じます。とにかく、まずは大統領が広島に来ればいいじゃないか、ということで。

亀井 何か、ハリウッドのスターが来てくれればうれしいなあ、みたいなことになっているんだ。

――米大統領だから核兵器発射のための装備も携行したし、核廃絶の言動と矛盾しているとの意見もある。演説では核廃絶の具体的手順は示さなかった。

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