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「オバマ米大統領は謝罪すべきだった」亀井静香衆院議員に聞く

ニューズウィーク日本版 / 2016年6月11日 6時55分

亀井 自分で(核兵器を)拡大・強化しているじゃないですか。「核廃絶はできません。恥ずかしい」と言わなければいかんよ。

――しかし、米大統領が今まで70年以上も被爆地に来ず、ついに初めて広島の地を踏んだわけです。そのことを少しは評価することは。

亀井 ない。



――やはり、おわびの言葉が無いと意味がない。

亀井 墓参りに来るなら、お経の一つでも上げに来いというんだ。日本人は、ハリウッドの悪役の超スターが来ても喜ぶんだよ。

【参考記事】パックンが広島で考えたこと

「核兵器は使えない」

――亀井さんは小学生の頃、原爆投下後のきのこ雲を遠くに見て地響きを感じたという、ある意味で「原爆体験」があり、お姉さんが原爆の影響で亡くなられた。そのことも(自身の考えに)影響はあるか。

亀井 それだけじゃない。あのときは10万の人間がやられたんだから。惨たんたる状況ですよ。東京の大空襲だって同じようにやられている。都市への無差別な爆弾投下だって、国際法違反ですよ。東京など日本中の大都市が無差別爆弾投下をされ、米軍機が逃げ惑う市民を機銃掃射までした。原爆だけじゃないんだ。米国はある面ではいい国だと思っているし、好きだけどね。頑張れば誰でも上に上がっていけるようなところがある。

――私の父は長崎出身で原爆手帳を持っている。今も健在だが、寝たきりで...。

亀井 (放射能は)すぐに命は取らない。長生きする人もいる。放射能と人間の健康の関係は、誰にもまだ分からない。臨床がない。(米国の)スリーマイルと(旧ソ連の)チェルノブイリと広島・長崎だけだから。米国が(原爆投下で)市民を実験に使ったのは明らかだ。

――今回のオバマ大統領の広島訪問についてはまずは評価したい一方で、謝罪の言葉が無かったのは残念だし、そんなに手放しで喜んでいいのかという複雑な気持ちはある。

亀井 オバマ大統領はしなくてもいいことをやった。それを評価する日本の方が哀れだ。

――実際、簡単に核廃絶は進まないのが現実だが。

亀井 核兵器は使えない。使ったら地球が破滅することは分かっているから。米国が長崎に落とした後、どの国も使っていない。ベトナム戦争だろうが何だろうが、世界中で戦争をやりながらも、(米国が)負ける戦争でも使わない。

――核兵器を減らし、本当にゼロにしなければならないが、「核抑止論」もある。

亀井 敵が持つなら、こちらも持たなければ対抗できないと思っている。日本は、そんなばかなことをする必要はない。

[筆者]
村田純一(むらた・じゅんいち)時事通信編集委員(兼マスメディア総合本部総務兼調査部長)1986年4月時事通信社入社、福岡支社を経て90年から政治部。96年に経済部(財界担当)。97年政治部に戻り、選挙班長、防衛庁担当、ワシントン特派員、霞(外務省)クラブキャップ、政治部次長を経て、現職。

※当記事は時事通信社の会員制ニュースサイト「Janet」からの転載記事です。
※時事通信Janet編集部は、国際情報に関する電子書籍「e-World」を発行しています。次のURLから一部サンプルをお読みいただけます。http://www.jiji.com/service/e-world/<ニューストピックス:オバマ広島宣言>


村田純一(時事通信編集委員) ※時事通信社の会員制ニュースサイト「Janet」より転載


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