1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

サンダース支持者はヒラリーに投票するのか? しないのか?

ニューズウィーク日本版 / 2016年6月17日 18時30分

 だが、たったひとつの事件で、強い信念が変わる可能性はある。

 ワシントンDCの予備選の2日前に起こったアメリカ史上最悪の銃撃事件はその一つだ。

 フロリダの有名なゲイ向けナイトクラブで、49人が殺害され、53人が負傷した悲惨な事件の犯人は、両親がアフガニスタン出身の移民で、自分もイスラム教徒だった。

 イスラム教徒の入国禁止を唱えていたトランプは、ここぞとばかりに自分の先見の明をアピールし、イスラム教徒と移民への差別発言、オバマ大統領の背信行為まで匂わせた。



 だが、ヒラリーは「アメリカ合衆国は寛容で、公平な国だ。見た目が異なる人、愛し方が違う人、宗教が違う人を含め、すべての人が公平に扱われるよう子供たちに教えなくてはならない」と、アメリカの多様性を讃え、国民が手をつなぐことを訴えた。

 さらにヒラリーは、予備選でも重要なアジェンダとしていた銃規制を強く訴えた。それを評価したサンダース支持者の一部が、ソーシャルメディアでヒラリー支持を表明し始めたのだ。

 この影響もあったのか、14日のワシントンDCの予備選は、78.7%対21.1でヒラリーが圧勝した。

【参考記事】選挙戦最大のピンチに追い込まれたトランプ

 しかし、サンダースはいまだに戦いをやめるつもりはない。また、ヒラリーの副大統領のポジションも望んでいないと言われる。なぜなら、それはサンダースの情熱的な支持者の目には「sell out(裏切り)」と映るからだ。すでにヒラリーを犯罪者のようにみなしている彼らにとって、それまでにどれほどリベラルな政治家として評価されていても、ヒラリー支持を表明したとたん「裏切り者」になる。

 たとえば、エリザベス・ウォーレン上院議員は、消費者金融保護局の設立に貢献し、「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」運動の思想基盤を作ったことでも知られ、サンダース支持者から愛されていた。サンダースを最初に担ぎだしたのは、この「ウォール街を占拠せよ」運動の中心人物たちだったとも言われている。

 ところが、ウォーレンがヒラリー支持を表明したとたん、「裏切り者」「魂を売った」「自分にとってエリザベスは死んだも同じ」という非難がソーシャルメディアにあふれた。ウォーレンのTシャツを燃やしている写真をツイートした若い女性もいた。「バーニー(サンダース)がヒラリーの副大統領候補になったら、彼も裏切り者だ」という意見もすでに見かける。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください