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史上最悪フロリダ銃乱射事件に使われた人気ライフル

ニューズウィーク日本版 / 2016年6月28日 19時0分

 2004年当時、同社の従業員数は130人だった。「シグ・ザウエルはそのころ、攻撃用ライフルはほとんど販売していなかった」と語るのは、2002~2005年に同社で警察・軍向け販売担当のバイスプレジデントを務めていたジム・プレッジャーだ。「本当に魅力的なライフルのシリーズを製造し始めた」のは、コーエンがCEOになってからだという。「価格は若干高めだが人気があった」

 今同社は、全米の製造工場に1,000人以上の従業員を抱え、1年で4万丁以上の銃器を販売するメーカーに成長した。



 だが、この間成長したのはシグ・ザウエルだけではない。銃器大手のスミス&ウェッソンのマイク・ゴールデンCEOは2006年6月、投資家向けの説明会で、同社の新型ライフルに対する「消費者の反応は非常に強く」、銃器産業における「ドル箱」になっていると述べた。

 2015年に登場したシグ・ザウエルMCXは、ひときわ大きな称賛をもって市場に迎えられた。MCXはミリタリースタイルの半自動式小銃で、デザインも洗練されている。つや消しブラックで仕上げられており、軽量だ。



 MCXはYouTube上で広告動画が数多く再生されるなど、インターネット上で大々的に宣伝されている。銃を持った男が戦場のような場所を横切りながらMCXで様々なターゲットを射撃する設定の動画もある。

撃つ喜び

 MCXはデザインや組み立ての容易さ、使い易さといった点で、銃マニアからも絶賛されている。マイク・シアソンはウェブサイト「アンモランド」で、シグ・サヴァーMCXライフルは「銃器メーカーが製造した歴代で最高に組み立てやすいライフル銃」と評価した。ウェブサイト「銃に関する真実」のブロガー、ニック・レゴムはMCXについて「とにかくしっくりくる」と書いだ。「銃を持ったときのバランスが良く狙いを定めやすい。作動部品は反応が早く丈夫で、撃つと本当に気持ちがいい」

 シグ・ザウアーで指揮を執り始めてすぐの2004年、コーエンはマーケティングの統括者としてバド・フィニを新たに雇い入れ、ブランドやマーケティング部門を監督させた。当時役員だったプレジャーによると、フィニは消費者市場でシグ・ザウアーの新たなブランド価値を確立する術を知っていたと、その力量を認める。

「フィニはマーケティング戦略を大きく転換させた。より優れたスローガンとモットーを生み出すなど素晴らしい仕事ぶりだった」。同社のウェブサイトでは、MCXを「戦闘用に開発された革新的な武器システム」と表現している。一般人向けには2000ドル以下で販売されている。

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