本当にもう大丈夫? 改正されても謎が残る「風俗営業法」
ニューズウィーク日本版 / 2016年7月5日 16時19分
客の横に座って、お酌をしたり、身体を密着させるキャバクラやホストクラブのような業態が「接待」付きの「風俗営業」であるのは理解できる。では、スナックやガールズバーはどうなのだろう。
一般には、特定の客と会話し続けたり、特定の客にカラオケを歌うよう勧誘し、曲に合わせて手拍子を叩いたり、客の歌声を褒めたり、客の口元に食べ物を持ってきて「あ~ん」で食べさせたり、王様ゲームやジェンガなどの遊戯に客と一緒に興じたりすることなども「接待」にあたるとされている。もしかすると、同じスナックやガールズバーと呼ばれる業態でも、風俗営業として届けなければマズい店とそうでない店があるのかもしれない(※個人的には詳しく知りませんが)。
いずれにせよ、風俗営業法のような刑罰付きの条文が、あいまいであってはならない。警察から見て「なんとなく歓楽的」「色っぽい感じだから」など、薄味の理由で摘発されてはたまらない。
何が違法で何が合法なのか、その境界がハッキリと線引きされていて初めて、店は積極的に顧客の喜ぶことを追求し、自由に創意工夫を重ねながら営業していけるのではないだろうか。
風俗営業に限った話ではないが、人々に楽しみを提供し、テンションを上げてくれるビジネスが、もっともっと増えていかなければ、日本経済は回っていかないだろう。
[筆者]
長嶺超輝(ながみね・まさき)
ライター。法律や裁判などについてわかりやすく書くことを得意とする。1975年、長崎生まれ。3歳から熊本で育つ。九州大学法学部卒業後、弁護士を目指すも、司法試験に7年連続で不合格を喫した。2007年に刊行し、30万部超のベストセラーとなった『裁判官の爆笑お言葉集』(幻冬舎新書)の他、著書11冊。最新刊に『東京ガールズ選挙(エレクション)――こじらせ系女子高生が生徒会長を目指したら』(ユーキャン・自由国民社)。ブログ「Theみねラル!」
長嶺超輝(ライター)
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