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中国全土で共感を得られる広告を作るには?

ニューズウィーク日本版 / 2016年7月13日 18時38分

【参考記事】中国企業のイノベーション志向を探る

「CMは30秒」はもう当たり前じゃない

 中国の視聴者は、テレビCMとネット上の動画を別物と捉えているようだ。求めるものが違うし、反応も異なる。彼らにとってテレビは退屈しのぎに刺激を得るために見るもの。それに対し、ネット上の動画ははっきりとした目的があって視聴することが多い。つまり、特定の情報を得ようと積極的にアクセスしているのだ。それゆえ、ネット上の動画で広告を流す際には、自らのイマジネーションにフィットしないものを辛抱強く見続ける視聴者などほとんどいないことを、肝に銘じる必要があるだろう。



 つまり、テレビとネットの広告は、それぞれ異なる手法でアプローチするべきということだ。ただ、成功したテレビCMの手法をネット広告に応用することは研究してみる余地がある。たとえば、CMの1コマ1コマの大半にブランド名を映し出し、さらに時々アップにすることでブランドを目立たせる、といった手法だ。ネット広告用の3秒程度のウィンドウでは、一つのことだけを訴える単純なメッセージがもっとも効果的だ。また、モバイルの広告では、ユーモラスな要素を加えることでアクセスを増やせることがわかっている。

 あらゆる層にブランドのメッセージを届けるために、マーケターたちは異なる長さの広告を実験するようになってきている。テレビCMといえば「30秒」が当たり前だったが、今やそのフォーマットに固執するクリエイターは減少しつつある。いろいろな時間を試す上で気をつけるべきなのは、広告の目的やブランドの方向性に見あったフォーマットを使用することだ。

「30秒」のCMは、新製品や新しいキャンペーンを告知するのに適している。複数の要素を入れ込んだ、ある程度複雑なメッセージを届けられるからだ。翻って「15秒」はどうだろう。この場合は、基本的なアイデアのみしか伝えられないので、既知のことのリマインダーとして機能しやすい。さらに、数分にわたるような長時間の広告動画であれば、当然ながら込み入ったメッセージを伝えることができる。この場合、ブランドの既存のファンに報い、楽しんでもらうためのものという位置づけが適当だ。

[執筆者]
マニーシュ・チョードリー Maneesh Choudhary
世界有数の広告代理店WPP傘下のマーケットリサーチ会社ミルウォード・ブラウンのグループディレクター兼地域リーダー

ジェニー・マー Jenny Ma
ミルウォード・ブラウン社のアカウントディレクター

© 情報工場





※当記事は「Dialogue Q2 2016」からの転載記事です





情報工場
2005年創業。厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。国内の書籍だけではなく、エグゼクティブ向け教育機関で世界一と評されるDuke Corporate Educationが発行するビジネス誌『Dialogue Review』や、まだ日本で出版されていない欧米・アジアなどの海外で話題の書籍もいち早く日本語のダイジェストにして配信。上場企業の経営層・管理職を中心に約6万人のビジネスパーソンが利用中。 http://www.joho-kojo.com/top




マニーシュ・チョードリー、ジェニー・マー ※編集・企画:情報工場


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