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時速100キロで爆走する「老人用ハンドル型電動車椅子」

ニューズウィーク日本版 / 2016年7月19日 17時38分

 法的規制が弱く技術的ハードルが低い分野に大量のプレイヤーが参入し、激しい競争の結果として、価格と品質のバランスが取れた製品を開発していく。こうした中国型イノベーションは少なくない。典型例が携帯電話だろう。中国携帯電話業界といえば、かつてはニセモノと粗悪品が跋扈する世界。マンションの一室を借りて手作業で組み立てて販売するメーカーも少なくなかった。しかし、そうした有象無象のメーカーが激烈な競争を繰り広げた結果、コストパフォーマンスでは無敵の実力を誇る携帯電話の製造が可能となり、いくつもの世界的なメーカーが生まれている。

【参考記事】iPhone 6s、中国人は「ローズゴールド」がお好き
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 生き馬の目を抜く競争が続き、規制の網をかいくぐった結果、老人用代歩車のように死亡事故まで起きるとあっては安心できる社会とは言いがたい。その一方で、規制でがんじがらめとなり経済的活力が生まれない社会もせつないもの。そう考えると、日本と中国の中間ぐらいにバランスのとれた社会がありそうなものなのだが。

――という話をしたところ、ある中国人の友人から思いも寄らぬ回答を寄せられた。「活力がある中国で稼いで、安心できる日本で暮らせばいいんだよ」と。

[筆者]
高口康太
ジャーナリスト、翻訳家。1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。独自の切り口から中国・新興国を論じるニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)。


高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)


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