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TPP推進派はもうオバマだけ

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月25日 15時30分



 ちなみにハフバウアーは、オバマ在任中のTPP批准の確率を10%と推定し、その筋書きは3通りあるという。

 まずは、トランプが11月の本選挙で大敗した場合。トランプの勢いに押されてTPP反対に回っていた共和党下院議員のうち、40人ほどが支持に回帰すると見込まれるので、下院の承認は得やすくなる。

 第2のシナリオでは、勝利を決めたクリントンが議会に法案の可決を要請する。ただし法案に署名するのは、自分が大統領に就任してからという条件付きだ。そうすれば、夫のビルが93年の大統領就任後にNAFTAを修正したように、TPPにも彼女の色を加えられる。

 第3のシナリオでは、上下両院の指導部がついに理性を取り戻し、これ以上に有利な協定はなさそうだし、TPPをほごにすればアメリカは世界中で信用を失うということに気付く。

 ただし、どの筋書きも可能性は高くないという。そうであれば、アメリカがTPPを批准する日は、(来るとしても)遠い。

From Foreign Policy Magazine

[2016.8.30号掲載]
デービッド・フランシス


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