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トランプ、言った者勝ちの怖さ

ニューズウィーク日本版 / 2016年9月2日 19時40分



 その点、中国に対する米大統領候補2人の立場はかなり単純だ。クリントンは以前こう述べていた。「私は中国トップの政治家と真っ向からやり合ってきた。私が大統領になればお遊びは終わりだ」

 一方、トランプは公式ホームページでこう表明する。「アメリカには、豊富な資金を盾に脅してくる共産主義の独裁国家に屈服しない大統領が必要だ。低賃金の労働者や公害がはびこる中国に、これ以上アメリカ人から仕事を奪わせない」

 両者、これ以上ないくらい辛辣な言葉を並べている。

 言語学が教えてくれるのは(仮説だが)、言葉には新たな現実を生み出す力があるということ。あらゆる事物が密接に結びつくグローバル社会では、世界中の人々が思い描くアメリカのイメージに、米大統領の言葉が絶大な影響力を及ぼす。次の大統領は、そのことを注意深く心に留めておくべきだ。トランプもクリントンも、大統領になった暁には、バベルフィッシュのように自分の発言がたちまち多言語に翻訳されてしまうのだから。

From Foreign Policy Magazine


クリストファー・リバカリ、ジェフ・ワン


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