グーグル新スマホ「ピクセル」の強みはAIアシスタント
ニューズウィーク日本版 / 2016年10月6日 16時8分
【参考記事】人材流出が止まらぬグーグル自動運転車プロジェクト、何が起きてるのか?
エコーやグーグル・ホームのようなデバイスは今はまだニッチ製品だ。アマゾンによると、14年以降エコーは推定350万台売れた。これは、iPhoneの1週間の出荷台数とほぼ同じだ。だが近い将来、音声認識のAI秘書は、ユーザーとコンピューターの対話に革命をもたらすだろう。音声応答システムは、既に多くの消費者向けアプリの標準になっている。一声掛けるだけでタスクをこなすAI秘書が普及するのは時間の問題だ。グーグルやアマゾンのような企業が開発したAI秘書ならなおさらだ。この2社は膨大なデータを抱えており、それを活用すべくAI開発に何十億ドルも投資してきた。
【参考記事】人工知能が加速させるボイス革命
今のところエコーのアレクサやグーグル・ホームのアシスタントは、雑学クイズに答えてくれたり、賭けで遊ばせてくれたりする程度だが(4日には、グーグル・ホームをコイン投げゲームの代わりに使うデモもあった)、用途は日々広がっている。既にエコーは配車サービスのウーバーでタクシーを呼んだり、ドミノ・ピザを注文したりしてくれるし、お薦めのレストランも教えてくれる。
ただし、気になる問題がある。AI秘書にプライバシーをすべてを把握されてもいいのだろうか。AI秘書は常にオンの状態で、言うことすべてに聞き耳を立て、通勤ルートからお気に入りのTV番組、頻繁にコンタクトをとる友人まで、生活のほぼすべてを知り尽くしている。
すべてを知っている秘書
我われは既にグーグルなどのサービスに大量の情報を提供している。このデータをもとにこちらのニーズを先取りして、タスクをこなす気の利く秘書がいればさぞかし便利だろうし、それに飛びつくユーザーは多いかもしれない。確かに、最初は薄気味悪い感じだろう。グーグル・マップが通勤ルートの渋滞に気付くと、アシスタントがいつもより30分早く起こしてくれたり、グーグル・カレンダーが母親の誕生日には花を注文してくれたりするのだから。
それでも、こうした消費者向けAI革命が私たちの生活を変えるのは間違いない。グーグルかアマゾンかアップルかマイクロソフトか、それにもちろんフェイスブックか、いずれかのAI秘書があなたに寄り添うことになるだろう。秘書に知られてはまずい時のために、くれぐれもオフにする方法を確かめておくことだ。
マーク・パートン
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