【対談(後編):冷泉彰彦×渡辺由佳里】トランプ現象を煽ったメディアの罪とアメリカの未来
ニューズウィーク日本版 / 2016年10月25日 15時20分
そして、これからの政治家がやらなければならないのは、わかりにくい政策をわかりやすく解説する「有権者教育」なのではないか。
<参考記事>トランプにここまで粘られるアメリカはバカの連合国
【冷泉】まさにそれを、ヒラリー自身が、昔ルーズベルトが国民に語りかけた「炉辺談話」のような形式でやって欲しい。仮にヒラリーが大統領になったら、優秀な若い人材をどんどん活用して、複雑な国際社会の問題を解決できる人材を「ヒラリー学校」で育てていくべきだ。
アメリカは今後ますます知的産業が中心の社会となって、世界を牽引していくことになる。今後そうした社会変化への理解が広がると思うが、それを妨げるものがあるとしたら、右と左の感情論だ。ヒラリーには、就任後に実績を示して、そのような感情論を抑えていくことを期待したい。ただ、就任当初の支持率はオバマのようには行かないだろう。2年後の中間選挙での敗北は絶対に許されない。従って、最初の1年で大きな実績、しかも世論に強い印象を与える政治がどうしても必要になる。それがヒラリーの最初の関門になるだろう。
【渡辺】もしヒラリーが当選したら、予想外に良い大統領になると期待している。彼女は、有能なマネージャーであり、実務主義者だからだ。
ヒラリーは選挙に出ると、ライバルやメディアに叩かれて「好感度」や支持率が落ちる。しかし、実際に仕事をしている間は支持率が高い。ファーストレディーとして政策に関与していたときですら支持率は62%あり、上院議員の仕事を終えたときには58%、国務長官時代には、オバマやバイデン副大統領よりも高い66%あった。
マネージャーとしての腕を発揮して、機能不全に陥っている議会や国政を前進させてもらいたい。
<ニューストピックス:決戦 2016米大統領選>
<ニューストピックス:【2016米大統領選】最新現地リポート>
≪冷泉彰彦氏の連載コラム「プリンストン発 日本/アメリカ新時代」≫
≪渡辺由佳里氏の連載コラム「ベストセラーからアメリカを読む」≫
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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