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スマホはこりごり? サムスン、JBLの音響メーカー買収で自動車産業に進出

ニューズウィーク日本版 / 2016年11月16日 6時1分

注目は来年のGALAXY S8?

 ここまで見ると、サムスンがこの夏、世界中を騒がせたGALAXY Note7のバッテリー発火問題にこりて、スマートフォン事業に見切りを付けた──、と見る向きもあるだろう。だが、サムスンのコネクテッドカーへの取り組みは実際には昨年12月から事業チームを新設して始められていたものだ。

 もともとLSIでの成功からTVの液晶パネル、スマートフォンと、同社の主力製品は時代に流れに応じて移り変わってきた。そしてスマートフォンも世界的に飽和状態に近づきつつある今、新たな成長分野としてコネクテッドカーの世界に挑戦しはじめたというわけだ。今回のM&Aについて同社の関係者は「コネクテッドカー部門の開発スピードを速めるため、複数の候補を健闘して9月からハーマンと交渉を開始した」と語る。サムスン電子のプリンス、イ・ジェヨン副会長が取締役になって初めて手掛けるプロジェクトということでも注目を集めている。



 また、サムスンはスマートフォンの分野でも今月注目すべき発表を行っている。アップルの音声認識「Siri」の開発者たちがアップルを出て設立した人工知能のスタートアップ企業ビブ・ラボラトリーズと共同で来年夏に発売予定のGalaxy S8に人工知能による音声認識プラットフォームを搭載することを明らかにした。現在もアップルのSiriのような単純な音声認識によるインターフェイスがあるが、サムスンとビブ・ラボラトリーズは、「EC・医療・観光などのサービスパートナーがそれぞれ自社のサービスをこのプラットフォームに対応させれば、スマートフォンのユーザーたちと直接連結されることが可能になる。現在のようにユーザーが各サービスパートナーのアプリをダウンロードしてから使う必要がなくなる」と発表した。

 恐らくこのサービスは当初はスマートフォンで利用されるが、それほど時間のかからないうちに、サムスンが今回買収したハーマンのコネクテッドカー用OSの上でも動くようになることは、ほぼ間違いないだろう。GALAXY Note 7の一連の事故は同社にとって大きな痛手であったことは間違いないが、コネクテッドカーへの取り組みを加速させることになったというのもまた事実であろう。それが怪我の功名という形で実を結ぶかどうか、今後の展開が注目されるところだ。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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