トランプは「台湾カード」を使うのか?
ニューズウィーク日本版 / 2016年12月13日 18時0分
ところで、トランプ次期大統領は、何度も「台湾への武器売却を強化する」と言っている。
一方、中国では2005年に反国家分裂法を制定し、台湾が独立を唱えれば、いざという場合には「武力鎮圧を辞さない」という姿勢である。
「一つの中国」論への疑義は、今となっては「台湾独立」という可能性しか示唆しておらず、それは不可能ではないが、しかし中国(北京)が黙っていない。必ず「反国家分裂法」が火を噴く。そのために中国は昨年、建国後初めて抗日戦争勝利記念日に軍事パレードを挙行し、「反国家分裂法」が実行された際の威力を、台湾にそしてアメリカに見せつけた。
そんな中国に誰がした、と言いたいが、アメリカが過去における自国の選択を反省してみるのは悪いことではない。
日本も経済繁栄のために、その結果、何を招いているかを考えてみる必要はあるだろう。
不戦の誓いは絶対的な前提条件だが、敗戦国ゆえに「毛沢東が日本軍と共謀したことによって強大化した中共軍」「その結果、誕生した中華人民共和国」という、中国にとって不都合な事実に対して、「ものが言えない国家」を、いつまで続けるのかに関しては、一考する必要があるのではないだろうか。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
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