米中断交さえ!? 台湾総統の米国経由外交
ニューズウィーク日本版 / 2017年1月10日 16時0分
このたびヘリテージ財団からフルナー氏とアジア担当のローマン氏が出席したということが、12月5日の分析が正しかったことの、何よりの証拠だと自負している。
さて、筆者にとってもっと興味深いのは、なんと言っても、Project2049のシュライバー総裁が同席していたことだ。まさに昨年9月20日に、ワシントンD.C.で筆者が『毛沢東 日本軍と共謀した男』に関してスピーチをしたときの主催団体である。
昨年9月5日付け本コラム<ワシントンで「毛沢東」国際シンポジウム――日本軍と共謀した事実を追って>で詳述したように、シュライバー氏は共和党のジョージ・ブッシュ前政権時代に国務次官補代理を務めていた人物だ。中国共産党こそが歴史を捏造しているという認識を持っている。
台湾の「自由時報」は、シュライバー氏がトランプ政権においても国防部のアジア太平洋関係で、何らかの役割を果たすことになるだろうとしている。
蔡英文総統は、中米訪問後の13日にも、サンフランシスコを訪れることになっているが、そこでも再び「過境外交」が展開されるのか、その動向が注目される。
「一つの中国」原則に対してトランプ政権が掲げる「台湾カード」は、今年、アジア太平洋のパワーバランスを大きく変えていく最大の焦点になるだろう。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
≪この筆者の記事一覧はこちら≫
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
この記事に関連するニュース
-
台湾の頼総統、太平洋島嶼国に初外遊へ ツバルなど3カ国 米国への立ち寄りは「計画中」
産経ニュース / 2024年11月22日 13時48分
-
香港民主派メディア創業者、前トランプ米政権への働きかけ否定 法廷で証言
ロイター / 2024年11月20日 16時13分
-
米大統領選挙はトリプルレッドで終結か。次の注目点は「トランプ人事」
トウシル / 2024年11月14日 7時30分
-
米次期大統領にトランプ氏が返り咲き、「米国第一」、固唾をのんで見守る東アジア各国
Record China / 2024年11月7日 16時0分
-
中国は米大統領選の行方をどう見ているのか。八つの視点から解説
トウシル / 2024年10月31日 7時30分
ランキング
-
1「ユニクロは出ていけ」 柳井会長「新疆ウイグル自治区産の綿花使っていない」発言に中国で批判殺到
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月29日 17時8分
-
2ジョージア、親欧米路線放棄 「28年までEU加盟交渉凍結」発表 対露接近も
産経ニュース / 2024年11月29日 8時40分
-
3ロシア軍、ウクライナのエネルギー施設に大規模攻撃…100万以上の世帯が停電か
読売新聞 / 2024年11月29日 11時51分
-
4ニュースの核心 ウクライナ防衛線〝崩壊危機〟に英メディア「戦略的な大惨事」 バイデン政権の兵器供与、トランプ氏大統領就任までの時間稼ぎか
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月29日 15時30分
-
5プーチン氏、メルケル氏が「犬が怖いと知らなかった」…会談に愛犬伴ったことを謝罪
読売新聞 / 2024年11月29日 10時9分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください