「トランプはロシアに弱みを握られている」は誤報なのか
ニューズウィーク日本版 / 2017年1月12日 18時19分
【参考記事】ロシアのサイバー攻撃をようやく認めたトランプ
就任式を9日後に控えた今回の会見では、メキシコとの国境に建設する壁や大統領職とビジネスの「利益相反」問題、空席になっている連邦最高裁判所の判事の指名問題なども取り上げられたが、報道陣の最大の関心はロシアとの関係にあった。トランプはこう言った。「ロシアとは何の関係もしていない。取引もない。借金もない。不動産デベロッパーとしては、私は極端に債務が少ない男だ」
トランプは、前日にロシアとの関係を報じたCNNとバズフィードを侮辱した。とりわけ、裏付けもなく問題の文書をネット上で公開したバズフィードを「くだらないガラクタの断片」と決めつけた。CNNは確認が取れない文書についての報道を控えているが、それでも同社のジム・アコスタ記者が質問しようとすると、トランプは「おまえらの組織はひどい。黙れ、黙れ。おまえらはフェイクニュースだ」と質問を封じた。
トランプはツイッターでも、バズフィードの報道は「フェイクニュース」「完全な政治的魔女狩り」だと大文字でツイートし、「すべて完全なでっち上げ、まったくのナンセンス」「フェアじゃない」、「政敵がカネを払って」文書を偽造させたと主張。「ロシアが私に影響力を行使しようとしたことは一度もない」「ロシアとは何の関係もない。取引も、債務も、いっさいない」と怒りを爆発させた。
ロシア政府も疑惑を否定した。同国のドミトリー・ペスコフ大統領報道官は一連の報道を「低俗な作り話」で「両国の関係を傷つけようとする企て」だと批判した。会見で、プーチンが自身を勝たせようとしたと認めるか問われたトランプは、こう言ってのけた。「もしプーチンがドナルド・トランプを好きなら、それは財産になる。負債ではない」
オバマケアは廃止か代替
会見ではトランプの弁護士を務めるシェリ・ディロンが、事業の経営を2人の息子 ― 長男のドナルド・ジュニアと二男のエリック ― に任せるとするトランプの決断について、かなりの時間を割いて説明した。「大統領と副大統領は法律上では利益相反を問われない」と彼女は言った。「それでもトランプ次期大統領は、利益相反についてアメリカ国民に何の疑いの余地も残さないため、自らを事業から完全に切り離すことにした」
演壇の横のテーブルに山積みになっているのは「息子たちに全事業を完全に譲るために署名した書類の一部」だと、トランプは説明した。ディロンはトランプの長女イバンカについて、今後は不動産会社トランプ・オーガニゼションの経営から退き、子どもたちとともにワシントンに拠点を移す予定だと明らかにした。
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