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「使えるファイナンス」をもつ人材が日本に足りない

ニューズウィーク日本版 / 2017年1月30日 17時12分

 同様に、ビジネスできちんと結果を出すためのファイナンスの技術も、まだ確立されているとは言い難い状態です。MBAをはじめとするビジネススクールなど、ファイナンスを学べそうなところは確かに色々あります。WACC、EPS分析、ブラック・ショールズ、モンテカルロなど、ファイナンスを駆使するテクニックも山ほど存在します。

 しかし、このような数式をいくら頭に詰め込んでみたところで、ビジネスには活かせません。ファイナンスとは不思議なもので、ビジネススクールでいくらファイナンスを学んでも、それだけでは役に立たないのです。

「ファイナンスってどこからどう勉強したらいいのかわからない」

「ファイナンスを勉強してみたものの、実務にどう活かせるのかがわからない」

 これが今のビジネスパーソンの姿ではないでしょうか。



 いま、企業には、ファイナンスをビジネスで使いこなせる人材が圧倒的に不足しています。

 それはつまり、この急速に進化してきたファイナンスに、今はビジネスパーソンたちが追い付いていない、という現状があるのです。

 実際にビジネスで「使える」ファイナンスの技術を持っているのはごく一部の人だけです。その技術は、ごくごくわずかのハイパービジネスパーソンに独占されていると言っても過言ではありません。

【参考記事】「5年を1単位」としてキャリアプランを考えよ

 では、もし、みなさんが携わっている仕事の世界に、そのファイナンスの技術が加わったら、どのような相乗効果が生まれるでしょうか。

 私は、これらのファイナンスの技術が、もっとビジネスパーソンに知れ渡り、ビジネスの世界で活用されればよいと考えています。そのため、この本には、私が考えるファイナンスの技術をわかりやすく、ふんだんに詰め込んだつもりですし、実際にファイナンスに関する理解度は、この本を読み終えると劇的に上がっていると思います。

 もし、みなさんがこれからビジネスの世界で戦っていくのならば、この本を読み、ファイナンスを学ぶことには大きな意義があるはずです。

※第2回:ファイナンスは教養、「物の値段」を考えること


『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス



ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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