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「線路立ち入りで書類送検」が他人事でなくなる侵入禁止リスト

ニューズウィーク日本版 / 2017年2月15日 16時22分

<2人の芸能人が線路の上に立った写真を公開し、書類送検された。容疑は鉄道営業法違反。無断で立ち入ると罪に問われる場所、あなたは知っているだろうか?>

先日、2人の芸能人が線路の上に立って撮影した写真をブログにアップしたために、鉄道営業法違反の容疑で書類送検され、世間から激しいバッシングを浴びた。

たしかに軽率で、危険な行為だったかもしれない。だが、日本国内で無断で立ち入ってはいけない場所がどこなのか、正確に答えられる人がどれほどいるだろうか。

しばしば「常識」と呼ばれる思い込みで片付けられがちだが、常識的に問題ないと思い込んでいても、犯罪として規定されている行為は少なくない(その逆もある)。

【参考記事】ハロウィンのコスプレは法に触れる可能性があります

こうした境界線について国民に一切告知されていないのは、改めて考えてみると恐ろしいことだ。条文に書けば済むという問題ではない。小学校の社会科で教わってもいいと思うのだが、先生は教えてくれない。

そこで本稿では、日本の法律によって犯罪として定められている屋外エリアの侵入行為について、最高刑の重い順に見ていきたい。

■懲役3年~1カ月 または罰金10万~1万円

<住居侵入罪・建造物侵入罪>
(刑法130条前段)

→ 他人の家の庭や屋根、マンションやビルが建っている敷地(および敷地に付属する庭園や駐車場など)に用もなく立ち入ることも、侵入罪となる。

たとえば、歩き疲れて、そのへんで目に付いたマンションの敷地内で休憩することも、本来は褒められた行為ではない。そのため、管理人に注意されたら出て行かなければならない。

このほか、学校の校庭や自動車学校の運転練習場に立ち入ることも同様である。過去の裁判例では、裏側に人が入れる構造になっている野球場のスコアボードも「建造物」と解釈されたことがある。

<艦船侵入罪>
(刑法130条前段)

→ 他人の管理するヨットやクルーザー、客船などの中へ勝手に立ち入ることも、住居侵入罪と同等の犯罪となる。また、海賊行為の目的で艦船に侵入したのなら、最高刑が懲役5年に引き上がる(海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律3条3項・2条5号)ので、くれぐれも注意したい。

なお、手こぎボートやカヌーなどは、ここでいう「艦船」に含まれないとされている。

■懲役1年~1カ月 または罰金100万~1万円

<南極特別保護地区への無許可立ち入り>
(南極地域の環境の保護に関する法律29条3号・19条)

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