イエメン戦死者と妻を責任逃れに利用したトランプ演説
ニューズウィーク日本版 / 2017年3月2日 20時40分
【参考記事】イエメン緊迫、米軍のホーシー派攻撃にイラン軍艦が出動
オーウェンズのように使命感の強い特殊部隊員に敬意を表すもっと相応しい方法は、作戦が本当に賢明な選択だったのかどうかを疑い、今後同じ過ちを繰り返さないよう教訓を得ることだ。
そもそも米軍はなぜイエメンで、15年もの長きにわたって軍事力を行使してきたのか。アメリカが掃討しようとしてきた敵は、なぜ規模を拡大し続けているのか。
【参考記事】イエメンでの対テロ作戦はトランプ政権の失点なのか
増殖するテロ組織
米国務省が公表した2010年版の「テロ活動に関する年次報告書」は、イエメンのアルカイダ系組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の規模について「数百人のメンバーで構成されると推計」した。それが2013年版では「1000人規模」に、2015年版では「4000人」まで増加した。米軍の対テロ作戦に対する反発や外国勢力に対する支援が、結果的にテロリストを増殖させているのだろうか。もしそうなら、なぜアメリカは介入を続けるのか。
トランプはアドリブで、戦死したオーウェンズを代弁するかのような語りで演説のこの部分を締めくくった。「彼はとても幸せだ。(スタンディングオベーションの)新記録を作ったのだから」。作戦を承認した張本人が、自分には何の責任もないと突っぱねた直後にこんな発言ができるとは、アメリカの最高司令官も地に落ちたものだ。この状況は、米軍だけでなく国家にとっても限りなく有害だ。アメリカ人にはそのことに気づいてほしい。
From Foreign Policy Magazine
ミカ・ゼンコー
この記事に関連するニュース
-
81歳のバイデン大統領が左派にたたかれ続ける訳 ネタニヤフ首相と犬猿の仲、股裂き状態
東洋経済オンライン / 2024年7月19日 19時0分
-
全ての危機「終わらせる」=バイデン外交の弱腰批判―トランプ氏
時事通信 / 2024年7月19日 17時24分
-
トランプ銃撃時、シークレットサービスはイランの襲撃に備えていた?
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月17日 18時50分
-
「経営戦略」はノルマンディー上陸作戦に学べ〈史上最大のロジスティクス計画に隠されたヒントとは?〉
文春オンライン / 2024年7月14日 6時0分
-
「トランプ陣営の世界戦略がさらに明るみに」その3 中国こそが最大の脅威
Japan In-depth / 2024年6月27日 11時0分
ランキング
-
1「慰安婦」強制連行説は「日韓離間工作の道具」 韓国で像撤去を求める朱玉順氏が批判
産経ニュース / 2024年7月20日 20時26分
-
2ロ侵攻、化学兵器使用と相互非難 国際機関「深刻な懸念」
共同通信 / 2024年7月20日 15時20分
-
3キリスト教「福音派」トランプ氏を熱狂的に支持するワケとは?
日テレNEWS NNN / 2024年7月20日 21時25分
-
4トランプ氏“暗殺未遂事件”で蔓延する“陰謀論”と“フェイク” 右派も左派も拡散の異常事態 深まる分断 米大統領選の行方は【報道特集】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月20日 21時30分
-
5トランプ氏殺害予告の男逮捕=SNSに投稿―米フロリダ州
時事通信 / 2024年7月21日 5時49分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)