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未発表研究が示す「大胆で進歩的な」財務担当者の時代

ニューズウィーク日本版 / 2017年3月13日 19時35分

<「財務担当者といえば保守的で堅実、慎重派」が相場だったが、全米CFO連盟の研究によれば、新たなタイプの財務プロフェッショナルが登場し始めている>

企業のファイナンス部門は、ビジネスにおいて思い切った大胆な戦略をとることが滅多にないと言われる。財務担当の経営幹部は慎重派で迎合的、リスク回避型の戦略を立案しやすいとみなされており、チャンスに賭けるよりも、せせこましく細部にこだわり、目の前の問題解決にフォーカスして思考しがちな人種と思われている。

だが、そんな時代は終わりを告げるかもしれない。なぜなら、幅広い視野で大局的に物事を考えられる新種のCFO(最高財務責任者)が現れはじめた兆しがあるからだ。

Dialogue誌が独占的に入手した未発表の研究成果がその証拠。商才に長け、ダイナミックで進歩的な思考のできる財務リーダーの草分け的な一群が登場したことを示している。守旧派になりがちだったこの職種に新しい息吹をもたらしつつあるのだ。

この現象は、職業団体である全米CFO連盟による研究で見出されたものだ。GC Indexを使用する専門家によって裏づけられた研究だが、GC Indexは組織の現在形を切り取る優れたツールとして知られている。

その研究は、米国企業3社から選ばれた、職位の高い20人の財務プロフェッショナルを綿密に分析したものだ。3社は、住宅建材、資産管理、ソフトウエアという、それぞれ異なる産業に関わる企業からピックアップされている。

GC Indexのデータベースは、幾分かは従来の財務担当幹部のステレオタイプを示した。実利優先で、定型的なタスク処理にフォーカスした戦略立案をする、大局的な見地から商機を捉えるよりも目の前の問題解決に注意を向けがち、といった特徴だ。

しかし一方で、少数ながら、ダイナミックで進歩的な考え方のできる財務プロフェッショナルがいることもわかった。彼らは自ら所属する組織に変革をもたらしていた。

「彼らはビジネスに、これまでとは大きく異なる商業的価値を加えられるでしょう。社内でその能力が認められて生かされ、彼らのアイデアを実現する機会が与えられるならば、の話ですが」と、GC Indexの首席心理分析官でディレクターのジョン・メルヴィン=スミス博士は話す。

財務において戦略的思考は重要だ。新たに現れた進歩的な考え方のできるCFOは、自ら分析したデータをもとに企業全体がどこに向かうべきかを割り出し、CEOや他部門のトップにアドバイスできる。実際の取引データとその数値分析を確固たるベースにして、ビジネスの戦略的な方向性を提案するのが最良の財務リーダーといえよう。

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