オンからオフまで 英グレンソンの復刻ビンテージで足元を締める
ニューズウィーク日本版 / 2017年3月18日 10時0分
スポーティなスニーカーは最新のモダンデザインを履いても、革靴となるとクラシックを好む人は多いものです。憧れるのは、豊かな味わいとキャラクター性のあるビンテージ・シューズ。「足元を引き締める」という表現がありますが、浮ついた印象がない歴史的な靴は、どんな服装も大人のムードに仕上げてくれます。着る服がカジュアルなら落ち着きを、ドレッシーなスーツのときは品格を与えてくれます。現代の靴では得がたい手仕事の温もりや、ある種の "野暮ったさ" があるのも、古い時代の靴ならではの良さです。
しかしながら、デッドストックにせよ中古にせよ、コンディションが良好で、かつ自分に合うサイズを探し出すのはとても困難なもの。これまでお気に入りに出会えなかった人に、またとないチャンスがやってきました! 靴好きの間でその名が知られる英国の老舗「グレンソン(GRENSON)」が、1900年〜70年代までのアーカイブを復刻させたシリーズ、「アーカイブコレクション(ARCHIVE COLLECTION)」の登場です。
【参考記事】"見せないデザイン"の美しさが、空気のような心地よさにつながる。
ゴツいブーツから、華やかでスレンダーな短靴まで、およそ10年刻みで全8型のグレンソンシューズが蘇りました。創業150周年記念となるこの特別シリーズの中で特にご注目いただきたいのが、ここに掲載した100年以上も前に誕生したブーツ。復元したベースモデルが製造されたのは1912年頃で、穴あき飾りのついたキャップトゥタイプです。
ボリュームのあるトゥから、かかとに向かってスリムになっていき、アンクルはキュッと引き締まっています。無骨な中にもセクシーさが漂う仕上がりは、この時代の靴にしかない個性でしょう。その魅力をさらに高めているのが、「グレースキッド」革の独特な艶やかさ。当時の風合いを再現した山羊革で、古いサッカーシューズなどに採用された頑丈なカンガルー革にも似たシワと光沢が特長です。高級感がありながらも、どことなく親しみやすい表情を漂わせています。
スニーカーブームが一段落し、何かいい革靴を探している人にも、このブーツは満足のいく選択になるでしょう。着こなしの幅を広げ、これから先何十年と愛用できる"新品"です。次ページから、同シリーズのほかのモデルや、グレンソンのオーナー兼デザイナーであるティム・リトルのユニークな目線に迫ります。
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