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エルドアン・トランプ会談でもPYDに対する認識の差は埋まらず

ニューズウィーク日本版 / 2017年5月26日 15時45分

トルコとの同盟関係は重要視しているが、IS掃討作戦に関してはPYD中心で展開するため、作戦が終わるまではトルコ政府に無用な揉め事は起こしてほしくないというのがトランプ政権の姿勢だろう。

今後の展望

5月9日にPYDへの武器提供が許可されてから、5月15日と20日にアメリカ軍はPYDに対して実際に武器や物資の提供を実施した。トルコ政府はエルドアンの訪米後もPYDとPKKは同一組織であるという主張を続けているが、5月22日に実施された越境攻撃ではPKKの本拠地と見られているイラクのカンディール山を攻撃したものの、PYDの支配地域への空爆は行われなかった。トルコ政府もアメリカとPYDの結びつきは強いことを認識し、今回の攻撃ではPYDを攻撃対象から外したと考えられる。

トルコ政府もIS掃討作戦はPYD中心で行われることを受け入れざるをえない状況となっている。今後の焦点は、ラッカでのIS掃討作戦がいつ始まるのか、ラッカでの攻撃後、アメリカはシリアに留まるのか、アメリカ、トルコ、PYDの関係はISの消滅でどのように変わっていくのか、である。いずれにせよ、トルコ政府は機会があればなるべく早い段階でアメリカのPYDへの支援を断ちたいというのが本音である。

今井宏平(日本貿易振興機構アジア経済研究所)


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