ミャンマーで人権問題担当の女性記者襲撃 「報道の自由」にスー・チーの力及ばず
ニューズウィーク日本版 / 2017年6月2日 14時20分
しかし実態はというと、「政権」「仏教徒」「国軍」に関わる汚職・腐敗、人権侵害、麻薬関係の報道は「いわゆるタブーで、あえて火中の栗を拾う記者もメディアもほとんどいない」(タイの記者)という。
そんな現状の中、果敢な取材活動を続けていたミャー記者の拉致、襲撃という衝撃的な事件を受けてミャンマーでは「スー・チー政権は女性ジャーナリストの安全確保にもっと努力するべきだ」(DVB放送局)との声が高まっている。かつては輝くミャンマーの希望の星であり、民主化運動のシンボル「戦う孔雀」にもなぞらえられたスー・チーさんの、国家指導者として、そして女性としての指導力が試されようとしている。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
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大塚智彦(PanAsiaNews)
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