1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

母ダイアナの死と心の傷を乗り越えて ヘンリー王子独占インタビュー(後編)

ニューズウィーク日本版 / 2017年7月26日 17時30分

兄夫妻に関する言及はそれより少なく、父やカミラについてはほとんど触れなかった。父とカミラの関係がダイアナとその息子たちをどれほど苦しめたかは、今や誰もが知るところだ。

ダイアナ亡き後、誰もその穴を埋めることはできなかった。ヘンリーは精神的に頼る人がいないまま、大人になった。今、心の隙間を少しでも埋めようとしてくれているのはキャサリンだ。ヘンリーは彼女を「姉のような存在」と言う。兄夫婦の居宅に招かれると、キャサリンが手料理を振る舞ってくれるとか。

兄弟の性格はまるで違う。王室関係者によると「弟は感情を隠さず、兄は内向的で孤独を愛する。特殊な環境で育ち、早くに母親を亡くしたこともあって兄弟の絆は強い。しかし互いに依存することはない」。

「学業成績はウィリアムのほうが良かった。だが人付き合いはヘンリーのほうがずっと上。特に子供の扱いは天性のものだ」という説もある。

【参考記事】シャーロット王女は「公務のプロ」 監視カメラが捉えた初お辞儀

ヘンリーは実用的な器用さも誇りにしている。これも軍隊が性に合った理由の1つだ。07年末からひそかにアフガニスタンでの作戦に加わり、ヘルマンド州で戦闘機を攻撃目標に誘導する任務に就いた。しかし、その事実がメディアで報じられると帰国を命じられた。「非常に腹立たしかった」とヘンリー。「従軍は日常からの最高の逃避だった。すごい達成感があった」

12年には再びアフガニスタンの戦場に送られ、攻撃ヘリコプター「アパッチ」に乗り込んだ。「自分の技能を証明したかった。ただの王子じゃなくて、例えばアパッチを操縦できるとか」

15年の退役は不満だったが、そのエネルギーを「新たな自分探し」に向けた。それさえ見つかれば、自分の人生に王子という以上の価値を見いだせるはずだから。「世間の関心が自分に向けられている間に、それを最大限に生かして、早く何かを成し遂げたい」


【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル! ご登録(無料)はこちらから=>>

[2017.7. 4号掲載]
アンジェラ・レビン(ジャーナリスト)


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください