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「共謀罪法」がイスラモフォビアを生まないか

ニューズウィーク日本版 / 2017年7月25日 15時10分

【参考記事】共謀罪法案、国会論戦で進まない対象犯罪の精査

気がつけば、私が日本に来てから今年で21年目になる。その間、イスラム教徒という理由で嫌な思いをさせられたことは一度もない。多様性を認める寛容な日本社会のおかげである。一方、互いの偏見や誤解、ステレオタイプといった障壁によって対立が蔓延する国際社会では、中東・イスラム地域に対する誤解や偏見が拡大しており、逆にイスラム地域の人々の日本に対する期待と関心が高まっている。

日本とイスラム世界が迎えた21世紀は、単なる20世紀の延長ではない。過去・ 現在・未来を同時に生きなければならない、「複合の世紀」だ。そして過去の限定的な関係に学びながらも、地平線の向こうに明るい未来を見通し、互いの監視や恐怖で安全な社会を作ろうとすることがいかに不毛であるかを、時間をかけて訴え続ける以外に道はない。


【執筆者】アルモーメン・アブドーラ

エジプト・カイロ生まれ。東海大学・国際教育センター准教授。日本研究家。2001年、学習院大学文学部日本語日本文学科卒業。同大学大学院人文科学研究科で、日本語とアラビア語の対照言語学を研究、日本語日本文学博士号を取得。02~03年に「NHK アラビア語ラジオ講座」にアシスタント講師として、03~08年に「NHKテレビでアラビア語」に講師としてレギュラー出演していた。現在はNHK・BS放送アルジャジーラニュースの放送通訳のほか、天皇・皇后両陛下やアラブ諸国首脳、パレスチナ自治政府アッバス議長などの通訳を務める。元サウジアラビア王国大使館文化部スーパーバイザー。近著に「地図が読めないアラブ人、道を聞けない日本人」 (小学館)、「日本語とアラビア語の慣用的表現の対照研究: 比喩的思考と意味理解を中心に」(国書刊行会」などがある。

アルモーメン・アブドーラ(東海大学・国際教育センター准教授)


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