北朝鮮エリートはSNS大好き 毎日チェックを欠かさない
ニューズウィーク日本版 / 2017年7月27日 17時41分
<北朝鮮の一部のエリートたちはフェイスブックやインスタグラムを使いこなし、自由にネットサーフィンに興じている>
インターネットが厳しく制限される北朝鮮について、興味深い報告が飛び込んできた。北朝鮮のごくわずかな高官たちは、インターネットでソーシャルメディアのチェックからゲームまで、自由に行っているという。
リサーチ会社インシクト・グループの調査で、インターネットの専門家が3カ月にわたって、孤立しているはずの北朝鮮のネット利用を監視した。ほとんどのケースで、保護されていない状態だったこともあり、監視は順調に進んだ。そして、これまでにない、北朝鮮エリートのネット使用の実態が浮き彫りになった。
一握りのエリートはネットも自由
今回の報告によれば、北朝鮮の最高指導者を含む最高層は、外部へのアクセスに一般的な制限はないようだ。
さらに、彼らのインターネット上での動きは、その他の国のユーザーと非常に似ていることがわかる。
ユーザーはフェイスブックやインスタグラムといったSNSを日常的にチェックし、ニュースを読み、アマゾンを覗くことも忘れない。ポルノ閲覧も。特に、ゲームやコンテンツのストリーミングが多く、使用全体の65%を占めていた。一番人気のゲームは、「World of Tanks(ワールド・オブ・タンクス、略称: WoT)」だ。
これらへのアクセスは、中国発の動画共有サイト「Youku(优酷)」、iTunes、P2Pファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用していた。
【参考記事】世界最恐と化す北朝鮮のハッカー
【参考記事】「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民の本音
一般市民は3G
北朝鮮では、一般市民のほとんどがインターネットにアクセスできないという報告がある。
一般的に主流のモバイル機器は、音声、テキストメッセージ、画像や動画の送受信など基本的な3Gサービスだけ。ネットワークはもちろん、北朝鮮国内プロバイダの「Koryolink(コリョリンク)」を通じてのみ、動作する。
大学生や科学者、一部の政府関係者などは大学やインターネットカフェにおいてあるコンピュータを使って、国営のイントラネットにアクセスできる者もいるが、一般市民が「ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)」に直接アクセスするのは難しい状況だ。
IT関連ニュースサイト「SCメディア」によると、北朝鮮には400万台の携帯電話が存在すると見られる。 ちなみに人口は2016年時点で2537万人(世界銀行)だから、6.3人に1人が携帯電話を持っていることになる。
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