習近平、苦々しい思い:米韓合同軍事演習
ニューズウィーク日本版 / 2017年8月25日 17時0分
●北朝鮮に対する警告:もし北朝鮮がアメリカ領を先制攻撃し、アメリカが報復として北朝鮮を武力攻撃した場合、中国は中立を保つ(筆者注:即ち、中朝軍事同盟は無視する)。
●アメリカに対する警告:もしアメリカが米韓同盟の下、北朝鮮を先制攻撃すれば、中国は絶対にそれを阻止する(筆者注:これは中朝軍事同盟に従って北朝鮮側に付くことを意味する)。
北朝鮮が中国のこの警告に従った以上、中国としては何としても米韓合同軍事演習を中止してほしかった。しかしアメリカは「中止しない」ことを、こともあろうに日米「2+2」外交防衛会議の流れの中で発表したのだ。
裏切られた「ダンフォード・習近平」会談――日米「2+2」外交防衛会議
新華社のウェブサイト新華網は、8月18日、日本時間17日に日本とアメリカの外務・防衛閣僚協議「2+2」が日本時間17日夜にワシントンで開催され、その共同記者会見で「日米韓の安保協力」と北朝鮮に対する3か国の軍事演習強化などに言及したことを詳細に報道した。
このことに関して中国は激しく反応している。
たとえば新華網が発信した情報は中国のさまざまなウェブサイトで転載されている。新浪新聞や21世紀新聞などがある。もちろんCCTVでも特集番組で取り上げたが、うまくリンクできる安定したURLが見つからないので、これらの文章から読み取って頂きたい。
中国外交部のスポークスマン・華春瑩(か・しゅんえい)も17日、定例記者会見で「双暫停」こそが中国の絶対的な基本方針だと主張し、アメリカがそれを拒否したことを非難した。
CCTVは8月23日の「朝聞天下」や8月24日の「今日関注(Focus Today)」など、ひっきりなしに米韓合同軍事演習に関する報道を繰り返している。(リンク先がうまくつながらない場合はお許し願いたい。)
番組では、どんなに参加人数を軽減するなどしても、開戦まであともう一歩といった臨戦態勢を取り、米軍のハリス太平洋司令部司令官、ハイテン戦略司令部司令官、グリーブス弾道ミサイル防御局局長およびブルックス在韓米軍司令官兼米韓連合司令官の4大巨頭を「実戦場」に集結させるという前代未聞のデモンストレーションをやるに至っては、これまでで最大規模だということさえできると、解説者は怒りを隠さない。
特に米空軍のU-2偵察機を非難
日本ではこのたびの米韓合同軍事演習でU-2偵察機が使われたことを報道した情報は(筆者の知る限り)あまり見たことがなく、唯一産経新聞が、ロイターの写真キャプションで報道しているくらいだ。そこには明確に「21日、韓国・ソウル近郊の平沢にある米軍基地上空を飛ぶ米空軍の偵察機U-2(ロイター)」と書いてある。
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