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バノン氏の「トランプは習近平を誰よりも尊敬」発言とトランプ国連演説の整合性は?

ニューズウィーク日本版 / 2017年9月20日 16時0分

一方、大陸以外の中文メディアによれば、「北朝鮮に対し国連制裁を通して圧力を掛け続けることについて意見を交換し、(習近平は)承諾した」とのこと。

さらに注目すべきは、トランプが習近平に「米中ともそれぞれ重要な国内日程がある。それが順調に進むことを祈っている」と電話で伝えたことで、中国における重要な国内日程とは、言うまでもなく10月18日に開催される第19回党大会のことである。



そのため習近平は9月19日からニューヨークで開催される国連総会には欠席した。

それを早くから承知の上で、トランプと習近平は8月から3回も電話会談をして、習近平の承諾を取りつけていたものと解釈すべきなのだろうか。

トランプの国連総会における北朝鮮「完全破壊」と二人の仲の整合性は?

9月19日、トランプは国連総会に初登場し、スピーチを行なった。そこで何を言うか、世界中が固唾を呑んで注目していたが、トランプは、やむをえない場合は「北朝鮮を完全に破壊する選択肢しかない」と、軍事行動断行の可能性を表明したのだ。

中国は北朝鮮の核保有には絶対に反対である。あのような「大暴れ孫悟空」が核を保有したら、中国は安泰ではいられない。北朝鮮をコントロールすることもできなくなり、中国自身が危機に見舞われる。それに北が持てば南も持つようになり、結果、日本も持つようになるだろう。中国はそのことを何よりも警戒している。

それでいながら、あくまでも対話による平和的解決を求めてきた。圧力を強化し過ぎれば、退路を無くした「ならず者」がミサイルを北京に向けてくるだろうことは容易に想像がつく。だから、ひたすら「双暫停(米朝双方とも暫時、軍事行動を停止し、対話のテーブルに着くこと)」を提唱してきた。

トランプがどんなに習近平を尊敬していると言っても、この「双暫停」を受け入れるわけではあるまい。

そして習近平もまた、アメリカがピンポイント攻撃以外の手段で北朝鮮を先制攻撃するのを決して認めることはないだろう。

これまで何度も書いてきたように、中国は、アメリカが「外科手術的手段」で北朝鮮の核・ミサイル開発基地を攻撃することに関しては「黙認する」と中国は「環球時報」社説を通して表明してきた。しかし米韓軍が38度線を越えた場合は、絶対に阻止するとも表明している。

ということは、トランプが国連総会で演説した北朝鮮の「完全破壊」は、何らかのピンポイント攻撃であることが考えられる。

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