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ラスベガス旧市街のザッポス本社、入居時はまっさらだった

ニューズウィーク日本版 / 2017年9月29日 14時55分

個室を持つのは顧問弁護士のみ。オープンな執務スペースのおかげでコミュニケーションが活性化した。

ザッポス社員はチーム間の移動が頻繁。人員の増減に対応しやすいよう、デスクは動かしやすいものに。電源は天井から下ろしてくる。

ザッポスの心臓部とも言えるコールセンター。チームで相談しながらワオ!と言わせる応対をするのが同社のスタイル。

まっさらなオフィスに社員自らが環境をつくり込む

「私たちはラスベガスという地域に愛着を持ち、『街に貢献したい』と考えていました。旧市庁舎があるのは、街のかつての中心部。新しいコミュニティの発展とザッポスの成長が一致するベストな場所です」と語るのは、エクスペリエンス&コミュニティチーム・マネジャーのローレン・ベッカー氏。

旧市庁舎は「まっさら」な状態だった。大まかなデザインこそ社員のインタビューをもとにまとめたが、移転当時は賑やかなペインティングもデコレーションもない状態。

サステナビリティ・ディレクターのブラッド・トム氏が語るように、「文化は有機的に育まれるもの。社員が欲しい文化を自ら築いてほしい」と考えたからだ。こうしてワークスペースは、チームごと、メンバーごとに作り込まれ、彼らの個性を表現する場となった。

音楽好きの日系ハワイ人はウクレレを飾り、HR部門はジャングルさながらの観葉植物に囲まれて働く。スーパーマーケットやドッグパーク、学校といった充実したアメニティも社員と地元住民の意見を吸い上げ、トニー・シェイCEOが立ち上げたDTP社主導で整備された。

2階カフェに常設されているテックサポート。コンピュータが修理されるのを待つ間、コーヒーを飲みながら同僚と交流できるしかけ。

2階のカフェ。

人が移動するよう、隔階に設けられたキッチンスペース。日常、フロアで隔てられている同僚ともここで接点を持つ。

地元食材を使ったビストロで健康に配慮。



受付スペース。ホスピタリティの高い応対。ひっきりなしにやってくるオフィスツアー客の期待感をあおる。

市庁舎だった時代には議会場として使われていたホール。現在は改修中だが、ダウンタウン地区には大きなカンファレンスや講演に使える会場がないため、これをコミュニティにも開放する計画を進めている。

エントランス付近に飾られた靴のアート。訪問者を驚かせる。

受付横の来賓スペース。

ともに成長していくため、街と会社のシナジーを目指す

しかしザッポスらしく「楽しくて、ちょっと変わっている」のは、それらの多くがオフィスキャンパス外にあり、ダウンタウン地区のコミュニティに対し開かれていること。現在は、旧市庁舎の議会場を改修し、「コンサート会場のように」作り変えているところだ。

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