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インド13億人を監視するカード

ニューズウィーク日本版 / 2017年10月4日 10時30分

問題点はまだある。「インドでは(無線通信のための)帯域幅が枯渇している点を考えても、あれは不適切な技術だ」とエーブラハムは言う。

インフラの整備も追い付いていない。指紋認証の端末には電源が必要だが、停電は多いし、そもそもインドでは推定2億4000万人が電気のない暮らしを送っている。データベースとの照合にはネット接続が必要だが、インドの平均的な接続速度はアジア最低レベルの4.1メガbps。アメリカの平均の3分の1だ。

それでもアドハーは拡大を続けている。年内にはインド国内の全ての人々をカバーするとみられ、他の制度やプログラムでの導入例も増えている。

アドハーは国民に利益だけをもたらす無害な存在であり続けるのか、それとも抑えの利かない暴走を始めるのか。

「アドハーについて、『政府がやっているのは正しいことだけだ』と誰もが信じているとは思えない」と冒頭のセクエイラは言う。「ラテン語の格言で『誰が番人の番をするのか』というのがあるが、同じことだ」


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[2017.10. 3号掲載]
サンディ・オン


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