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国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料まとめ・中編)

ニューズウィーク日本版 / 2017年10月20日 17時29分

20歳で司法試験に一発合格。合格体験記で「ほんとうに、無我夢中のうちに合格したという感じなのである。あまり学説も知らないし、判例も知らない、私のような者でも、司法試験に合格することは可能なのである」と書き記し、謙遜している。

ただし、弁護士出身者が最高裁判事に登用される場合、通例であれば日本弁護士連合会の推薦リストから選ばれるものの、山口氏の場合はなぜか推薦外から内閣が任命したとみられ、その選考課程の不透明性に、日弁連だけでなく各方面から批判や疑念が投げかけられている。

《主な発言》
・2012年8月10日、朝日新聞朝刊。
「(法律学者の志願者が減っていることについて)量的には厳しい。しかし、法学固有の問題ではない。研究者の仕事を魅力的にするよう、国の支援を根本的に改めない限り難しい」

・2011年3月1日、『ジュリスト』「現代刑事法研究会 座談会」。
「(裁判員制度を踏まえて)裁判員の方々に分かりやすい刑法の立法を考えていくのかという問題も、あるいはあろうかと思います。個人的な意見としては、そうした立法はかなり困難ではないかなと思われますが」

・2002年11月27日、読売新聞朝刊。東京大学法科大学院の設立準備。
「法律相談クリニックを設け、法科大学院生には交渉術も学ばせたい。司法試験に失敗しないように、というより、法曹になった後に『あの人は立派な法律家だ』といわれる人を育てたい」

《主な関与判決》
・全国学力・学習状況調査で、地域の各学校の平均正答数や平均正答率などを不開示とした自治体の判断について、「開示すると学校間で過度の競争をあおりかねない」として、開示しないのを妥当とした二審判決を支持。

・オリンパスの従業員が、会社からの退職勧奨を拒否した報復で配置転換させられたのは不当だと争われた裁判で、「会社の配置転換命令に合理性はあった」として従業員敗訴とした二審判決を支持。



4:「裁判経験豊富」菅野博之

東北大法卒・裁判官出身・北海道出身
就任:2016年9月5日/定年:2022年7月2日

《プロフィール》
民事・行政事件に精通する裁判官であり、かつては日本航空(JAL)の会社更生手続きにも関与してきた。

難民問題を裁く判決を読み上げるときは、外国人に分かりやすい平易な日本語に言い換えて説明する配慮を、かなり早い段階から進めていた。

幼少の頃は「火星探検隊」に憧れ、高校生で天体望遠鏡を自作したこともあるという。SF小説のファン。

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